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全国初となる”台風等に関する特別警報発表”の恐れ

崎濱綾子気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ
台風進路予想図 気象庁7月6日

【沖縄に猛烈台風接近・本州への進路は】

台風8号が勢力を強めながら沖縄に接近しています。

今後は沖縄を暴風域に巻き込みながら、台風の中心が予報円の中心を通ると九州から本州、その後日本海に進む可能性があります。

予報円が大きく、日本海側と太平洋側のどこ進むか共に可能性が残っています。台風の中心が離れていても、9日(水)から11日(金)頃は各地で強い雨に注意。(6日22時時点)気象庁 台風情報

台風進路予想図 (データ:気象庁)
台風進路予想図 (データ:気象庁)

【全国初となる台風等に関する特別警報発表の恐れ】

”数十年に一度”の大災害が予想される場合に発表される”特別警報(去年8月から運用開始)に匹敵する台風が沖縄に近づく予想となっています。台風8号は、8日(火)に”猛烈な勢力”となって沖縄本島に最も接近する恐れがあります。

台風の最接近時に予想される中心気圧は”910hPa”最大風速は55m/sです。

台風等を要因とする特別警報の沖縄地方の指標は、中心気圧”910hPa以下”または最大風速60m/s以上です。

予想される勢力で沖縄に接近すると7日にも特別警報の発表される恐れが出ています。

【特別警報はひとつじゃない】

去年の9月、京都・福井・滋賀に”大雨”の特別警報が発表されました。

今回沖縄で特別警報が出る場合は台風等を要因とする特別警報の為”暴風・大雨・波浪・高潮”の4つの特別警報の出る事が想定されます。

また、特別警報の発表のタイミングが”警報”と同じタイミングとなる可能性があります。例えば事前に”大雨”が降り続く場合、大雨警報→大雨の特別警報へ引き上げられますが、”暴風”の特別警報の場合、暴風警報を出すタイミングで暴風の特別警報の発表が想定されます。

気象庁 特別警報について

【過去に特別警報クラスに匹敵した台風・沖縄】

■最大風速 60.8m/s(1966年9月台風18号 第2宮古島台風コラ) 

■最低気圧 908.1hPa(1959年9月台風14号 宮古島台風サラ)

■最低気圧 912hPa(2003年9月台風14号 宮古島の風力発電機が倒壊)

台風8号とコースが似ている台風としては

2007年台風4号(データ:気象庁)
2007年台風4号(データ:気象庁)

2007年7月の台風4号 沖縄から四国足摺岬を通過し、近畿潮岬から関東の南海上へ。

那覇では7月の観測史上最大となる最大瞬間風速56.3m/sを記録。(2007/ 7/13)

6日午後の那覇は台風を感じさせないくらい晴れていますが・・・

6日午後の那覇の空
6日午後の那覇の空

7日には強風域、8日には暴風を伴い8日昼過ぎから夕方には最接近の見込み。

大荒れの天気に警戒が必要です。沖縄の空の便にも大きな影響の出る恐れがあります。

台風は沖縄で猛威を振るったあと、本州に向かう予想です。

早めの台風対策が必要です。

気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ

Yahoo!ニュースエキスパート。沖縄生まれ沖縄育ち。お天気キャスター中に本格的に気象予報士資格を取得したいと思い、2005年に沖縄初の女性気象予報士になる。TBS系列『RBC THE NEWS』(月~金)に2016年3月まで出演し上京。日々の番組内での天気解説や報道取材を通して見えてきたもの、天気の移り変わりを綴る。沖縄の観光大使「ミスはごろも」として沖縄観光PR活動も1年間経験。夢は沖縄の天気に関する本を出すこと。趣味は御朱印集めなど。

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