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12月の東京都区部の消費者物価指数は前年同月比4.0%の上昇と日銀の物価目標の2倍。通年でも2%超え

久保田博幸金融アナリスト
(写真:つのだよしお/アフロ)

 10日に発表された12月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食料品を除く)は、前年同月比4.0%の上昇と1982年4月以来、40年8か月ぶりの上昇幅となった。

12月の東京都区部の消費者物価指数 https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf

 総合指数は前年同月比4.0%の上昇、生鮮食品を除く総合指数も前年同月比4.0%の上昇、そして、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数でも前年同月比2.7%の上昇となり、こちにも2%を超えている。

 エネルギー価格の上昇とともに食料品価格の上昇も大きく影響している。円安の動きは落ち着いてきたものの、それでも昨年12月と比較すれば円安水準となっており、この影響も当然あろう。

 企業物価指数についてはややピークアウト感は出ているものの、今後もさらに食料品の値上げ、つまり価格転嫁が進むなど企業物価指数と消費者物価指数の乖離を縮小させるような動きは続くと予想される。それはつまり日銀の物価目標となっている消費者物価指数は2%を遙かに超える水準が続くことを意味しよう。

 12月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食料品を除く)の市場予想は前年同月比3.8%の上昇あたりとなっており、それをも上回った。

 12月の東京都区部の消費者物価指数は全国消費者物価指数の先行指標となる。昨年12月分の全国消費者物価指数の発表は1月20日に予定されている。日銀の物価目標ともなっている全国消費者物価指数(生鮮食料品を除く)も前年同月比4%程度になると予想され、日銀の目標値2%の「2倍」となることに。

 そして2022年の通年でも2022年の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食料品を除く)の上昇率が2.2%と2%超えとなった。通年で2%を超えるのは、消費増税時を除けば1992年以来30年ぶりとなる。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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