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地方選、投票を考えた時にまず見るべきは、Wikipediaである

原田謙介政治の若者離れを打破する活動を10年以上

4年に1回、全国的に多くの地方選が同日に実施される統一地方選挙が始まっている。

4月12日と26日に全国の各都市で行われる、選挙に行く前にWikipediaぐらいの情報でもいいから、まずはあなたの街を知ってみてはどうでしょう?

候補者の公約を受け身で見てはだめだ。

「選挙に行こう」と思った時にみなさんは何を行いますか。

多くの方が、「誰に投票するか」を考えるのではないでしょうか?

そして、候補者を見比べるために自治体が発行をしている選挙公報を見たり、各候補者のWebやチラシを見たり、公開討論会の動画を見たりといったことを行う。

どこまで時間をかけてこの作業を行うのかには、人によって差はあると思うが、特に決まった投票先がない方はこのような行動をとることもあるでしょう。

各候補者の公約や所属政党、これまでの経歴などをみて、今回の選挙で自分が投票する候補を探すわけだ。

余談だが、未だに選挙公報を出さない自治体があることには驚きを隠せない。せっかく、ウェブで掲載できるようになったというのに。

上述のように、政策を見極めてから投票に行くというのは大事なこと。

しかし、同時にまず「候補者の政策」を見ることは危うさを含んでいる。

言うまでもなく、「候補者の政策」は、候補者が伝えたいことをきれいに書いているもの。

そのこと自体は別に悪いことではもちろんないのだが、選挙の時の主導権を候補者に握られたみたいでなんか違和感がある。

だって、“民主主義”。つまりは民が主役なのに、受け身で候補者が発する情報を取るのはもったいないと感じてしまう。

街を知り、少し考えることから始める

そこで提案です。地方選があるこのタイミングで街のことを知ってみませんか?

基本的な情報である、人口構成、産業などから、昨年度の予算配分など政治的なものまで。

意外と街のこと知らない方も多いのではないでしょうか。

情報をどうやって得ればいいか迷う方はまず、Wikipediaで自分の街を検索してみて下さい。

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人口、地理、地域、政治の情報などかなりのことが網羅されています。もちろん、すべての情報が客観的なものとはいえないので、街のことを知る入口としての扱いですが。

さらに興味があれば、自治体のホームページの各データなんかも参考になります。予算配分や、今後の長期計画、あるいは自治体に関する各データなどが載っている。読み込む必要は全くないがちょいちょいと、スクロールやらクリックやらしてみてはどうでしょう。

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街のことを知って、その後自分で少し考える時間を取ってみる。

街のことを知ってどう思うか。「意外と若者層が多いな!」「学校が統廃合されるのか」などなにか思うことがあれば。なんでもいいので、自分が気になる政策分野や、街の現状をみて思う事などを生み出す。

最後に公約を

自分の街を知って、自分なりの“軸”を持つ。そのあと候補者の公約やらを見る。

受け身で公約を見るのではなく、判断基準を持ったうえで、候補者のことが見られるのではないかと思う。ぜひ、

統一地方選のこのタイミングで、街のことを知って、街に対する自分の軸を持ってみてはどうでしょう。

政治の若者離れを打破する活動を10年以上

1986年生まれ。岡山在住。愛媛県愛光高校、東京大学法学部卒。「学生団体ivote」創設。インターネット選挙運動解禁「OneVoiceCampaign」。NPO法人YouthCreate創設。「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに活動。大学非常勤講師や各省有識者会議委員などとして活動を広げていく。18歳選挙権を実現し、1万人以上の中高生に主権者教育授業を行う。文科省・総務省作成「政治や選挙等に関する高校生向け副教材」の執筆者でもある。2019年参議院選挙・2021年衆議院選挙に立候補し敗れる。元岡山大学非常勤講師。元グローバルシェイパー東京代表。元中野区社会福祉評議会評議員

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