モジュール型スマートフォン、Project Araがプエルトリコで今年登場
必要な機能を好み通りに組み立てる、そんなモジュール型のスマートフォンを開発するGoogleの「Project Ara」が、2015年中にプエルトリコでパイロットプログラムを実施します。
2回目となるProject Araの開発者会議が米国西海岸時間1月14日朝、Google本社があるマウンテンビューで開かれました。この場で、現在Wi-Fiに対応してきたプロトタイプを、2015年中に3Gに対応し起動中にモジュールの取り外しができるSPIRAL 2、そして4Gに対応させたSPIRAL 3を用意。
高画質のカメラモジュールと1日持つバッテリーの搭載、そして20〜30のモジュールを用意した上でパイロットプログラムへ入り、グローバル展開するというロードマップも示されました。中にはモジュールを共有する「Sharing Economy」についてもプランに含まれており、全く新しい携帯電話の姿、モデルを実現しそうです。
プエルトリコが選ばれた理由は、携帯電話普及率が高く、米国の通商上の支障がなく、また島内へ1日で配送が可能な場所であること。地元の携帯電話キャリアと組んで、フードトラックをモバイルショールームに改装して、展開を開始するとのことです。
公開された最新のプロモーションビデオ「Part of it」がこちら。
Googleが取り組む、ハードウェアのプラットホーム化とモジュール化
Googleはご存じの通り世界最大のモバイルOSであるAndroidを有しています。一方で、一時期Motorolaを所有していたものの、知財を手元に残してプロダクションなどの大半をLenovoに売却してしまいました。
このProject AraもMotorolaに属していたプロジェクトですが、Googleは「Google ATAP」(Advanced Technology and Products Lab.)として進めています。同ラボは実用化までに2年間という期限を設けているのが通例ですが、このプロジェクトについてはもう少し時間を与えることを確認しています。
Apple・GoogleはモバイルOSと開発環境を整備することによって、ソフトウェアプラットホームを作り上げ、スマートフォンのソフトウェアによる加速度的な発展のペースを作り上げました。
Googleのこの取り組みは、ハードウェアにも同じような発展のアイディアを持ち込もうというプランです。小さなハードウェアメーカーは、携帯電話を丸ごと作ることはできないが、スマートフォンに搭載するモジュールを作って、カスタマイズすることはできるようになります。
前掲の「Part of it」では、東芝、富士通、LGといった大手メーカーに加えて、Nest(Googleが買収済み)のロゴも見えます。今まではiPhoneケースを作って独自ハードウェアを導入してきたメーカーも、SPIRAL向けのモジュールを規格通り作れば良いわけです。
ハードウェアがソフトウェア的に進化する姿がどのようなものなのか、ぜひ未来を見てみたいところです。みなさんなら、どんなハードウェアを、自分のスマホに追加したいですか?