北海道は引き続き大雨、台風10号は発達し来週前半に接近・本州縦断か…早めの備えを:気象予報士解説
23日は北海道に台風9号から変わった低気圧とさらに別の低気圧も接近し、各地で激しい雨が降るでしょう。低気圧が発達するため全国的にも大気の状態が不安定になりそうです。
そして日本のはるか南の海上にある台風10号は、今後「強い」台風に発達しながら、来週27日(火)〜28日(水)頃に西~東日本に接近するおそれがあります。
今回の台風、早めに備えを始めるべき理由を気象予報士が解説します。
台風10号は「強い」勢力で本州付近に接近か…本州縦断のおそれも
台風10号は23日朝の時点で、海面水温30度前後の温かい海域をゆっくりと北上したりほとんど停滞したりを繰り返していて、明日24日(土)朝には「強い」勢力にまで発達する見通しです。
「強い」勢力とは、中心付近の風速が、走行中のトラックが横転するレベルの強さの台風のことです。
今のところ本州付近に接近する時点でも「強い」勢力を保っていて、影響が大きくなりそうです。
また、太平洋側に接近する時点でもし本州付近に秋雨前線が停滞していると、日本海側でも雨の量が多くなる可能性があるほか、接近時に日本の東に位置する高気圧の勢力次第では、28日(水)以降に本州を縦断するようなコースになるおそれもあります。
23日は北海道付近で低気圧が発達
23日の北海道は2つの低気圧の影響で、いったん雨がやんだり弱まったと思っても再び激しく降ることがあり、引き続きキキクルなどで情報を確認してください。
本州付近は前日22日と比べると朝から日差しが届くところが多くなりますが、北海道付近で発達する低気圧に向かって南から暖湿気が吹き込むことになるため、やはり大気の状態は不安定です。
一度に広範囲で降るような雨ではありませんが、未明には静岡で猛烈な雨が降ったところがあり、このあとも東北南部~九州では内陸中心に急な雨に注意を。
この南からの暖湿気は、日本海側では吹き降りることになり、フェーン現象によって北陸や山陰は23日も37~38度の気温が予想されています。
また沖縄では引き続き熱帯低気圧が近くにあるため、一部で雷雨のおそれがあります。
秋雨前線と台風で長雨に
北海道付近の低気圧が東へ抜けたあと、本州付近には秋雨前線がかかる見通しで、これによって土日そして週明けにかけて雨が降るところが多くなるでしょう。
さらには来週前半〜中頃にかけて、台風10号も近づくため、雨が長引くことになり、各地で雨の量が多くなりそうです。
来週にかけて広い範囲で雨への備え、そして台風が「強い」勢力のまま近づくおそれのある西~東日本太平洋側では風への備えもしておいてください。
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