ニューレディー・ラボ 映画研究部 クラッシュ (ネタばれあり)
作品背景
・2005年公開
・2001年以降の現代アメリカのロサンゼルス(アラブ系への偏見が描かれているので)
・ロサンゼルスは全米第二位の大都市
・ロサンゼルスは現代では商業・映画産業(ハリウッド)などが有名
・人種はメキシコに近いのでヒスパニックの割合が高いのが特徴
・ヒスパニック以外にも地理的にアジア人の移民や黒人も多い
・人種間の対立もあり、1992年頃はロサンゼルス暴動が起こった
・その後は人種間の融和が図られるようになっていった
・公共交通機関が発達しておらず、車社会
・人種融和のために公共部門は有色人種を一定割合で雇用する政策をとっている
作品が提示する問題
・人種差別(人種間対立)
・格差社会
・銃社会
・人身売買
・警察汚染
・アメリカの医療制度
作品のあらすじ・キャスト等は
どの映画紹介サイトよりもWikipediaの該当ページが充実していた。
登場人物が多いので、初見でパッと見て話がこんがらがってしまった方は
上記リンクで整理して、もう一回見るのをお勧めする。
トークテーマ
1. 登場人物で一番共感できたのは誰ですか?
参加者達の意見
・グラハム(ロサンゼルス市警察の黒人刑事)
愛情表現が不器用で、母親に尽くしても、弟の方に愛情を向けられてしまうのが長女の自分と重なる。ことなかれ主義なのも良い。パブリックセクションで働く黒人の苦悩を体現できている。
・アンソニー(自動車強盗をする黒人二人組の兄貴分)
自分の能力の低さや心の弱さを自尊心を守るために人種差別や社会のせいにしている。最初は嫌な奴だったけど、改心したり成長したりするところが好き。
・キャメロン(黒人のTVディレクター)
傷つけられても和を乱さないように、自分が我慢して丸く収めようとして、だけどそれでも時々我慢できなくてキレるところに共感をした。黒人の中の名誉白人的な地位に行ったがために抱える繊細な立場が、同じく名誉白人として取り扱われることの多い日本人にも通じるところがある。
・トム(白人巡査)
若くて正義感あふれてリベラルで差別が良くないという思考だが、実際に黒人に接してみて自分の持つ偏見をもとに誤って殺してしまうところや、その事実を隠ぺいしようとするところがリアルで、同じことがあったら自分もそうしてしまうかもしれないと思って共感した。中途半端な優しさで、中途半端に対応して悲劇を産んでいる。そこが人間らしい。
群像劇のため、共感するキャラも割れた。ほとんどの登場人物に良い面も悪い面もあって、その複雑でリアルなところに共感できたという声が多かった。私自身は今回もまたストレート男性のグラハムに一番共感した。愛情表現が不器用なところや、パブリックセクションで、不正に立ち向かおうとするも、弟を庇うために折れてしまう面もリアルで良い。そして演じているドン・チードルの表情がいちいち適切で、いい顔をする。その表情から気持ちがとても伝わってくる演技でグっと引き込まれた。顔をずっと観ていたい。あと、ベッドシーンがあったのだが、そこもセクシーであった。ちなみにこの映画はセクシーな男性が沢山出ていたので人気投票をしてみたところ、
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