米長期金利が4%台を回復、次の節目は4.25%近辺
9月の米雇用統計を受けて、FRBによる大幅利下げ観測が後退したことで、米長期金利はさらに上昇し、一時4.03%と8月上旬以来の水準に上昇した。
米長期金利は2023年10月に5%台をつけたところでピークアウトした。
その後、消費者物価指数の前年比が縮小傾向となっていたこともあり、2023年12月に3.7%台まで低下した。
しかし、消費者物価指数が3%台で高止まりしていたこともあり、2024年4月に4.7%台まで上昇した。
2024年5月以降は再び消費者物価指数の上昇幅が縮小してきたこともあり、9月16日に3.6%台に低下したところで、いったんボトムアウトした格好となった。
9月19日のFOMCでは0.5%の利下げを決定した。
FRBは11月のFOMCでも0.5%の利下げを行うとの観測も強まっていたとされるが、米長期金利は16日以降はむしろ上昇基調となっていた。
30日にパウエルFRB議長は、委員会は利下げを急いでいるわけではないとも発言した上で、ドットチャートは、年内はあと2回、合わせて0.5%の利下げを意味するともコメントしていた。
10月4日に発表された米雇用統計などから、米経済のソフトランディングも意識され、11月の大幅利下げ観測は後退した。いまのところ0.25%の利下げ予想が多いようだが、利下げは見送りかとの見方も出ている。
中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇も加わり、米長期金利が4%台を回復してきたのである。
チャートからは次の節目は4.25%あたりとなるが、少なくともFRBの次の動きも利下げとみられ、戻りも限られるのではないかと思われる。
ただし、今後発表される経済指標が予想外にしっかりとなり、物価が再び上昇に転じるなどすれば状況が変われる可能性もある。また米大統領選挙の行方次第でも状況は変わる可能性もある。今後の米長期金利の動きに注意が必要となりそうだ。