スポーツをする人7割近く、一番人気はウォーキングや軽い体操
スポーツをしている人は68.8%
健康的な身体維持のためには欠かせないスポーツ。人々のスポーツの実情を社会生活基本調査(※)の結果から確認する。
次に示すのは回答時において、過去1年間に一度でも仕事や学校の授業以外(クラブ活動、部活動は含む。見物の類は含まない)で、個人の自由時間を消費して行うスポーツをしたか否かを尋ねた結果。全体では68.8%の人が経験あり(=行動者)と答えていた。10代前半は90.2%ともっとも高い値を示し、10代後半がそれに続く80.0%の値を計上している。
若年層が高い値を示し、中高齢層になるにつれて行動者率は減る傾向がある。特に10代は部活動やクラブ活動でスポーツをしている人が、行動者率を押し上げているのだろう。
経年変化の動きを見ると、60代前半までは行動者率が減る、つまりスポーツをする人が減り、60代後半以降は増える傾向にあった。ところが直近の2016年ではすべての年齢階層で前回調査から行動者率が増える、スポーツをする人が増える動きを示している。
この動きを確認するため、前回2011年調査の結果と今回2016年調査の結果との差異を計算したのが次のグラフ。
元々増加傾向にあった60代後半以降だけでなく、全年齢階層で増加。20代以降は大よそ同じ増加幅を示している。スポーツへの傾注度合いが高まっているのだろうか。
スポーツの一番人気はウォーキング・軽い体操
これらスポーツの中で、具体的にはどのような競技が行われているのか。もっとも多い回答項目は「ウォーキング、軽い運動」だった。複数回答で41.3%の人が過去1年間に、自分の自由時間を割いてウォーキングをしたことがあると答えている(スポーツをした人限定ではなく全体比であることに注意)。
機材を特に必要とせず資格も要らず、時間とスペースがあればいつでもどこでも行えるのが「ウォーキング・軽い運動」(天候悪化などでも難しくなるが)。自分の都合ですぐに止められるのもメリット。もう少し本格的だが、スタイル的には等しい「ジョギング・マラソン」と比べても多くの人に受け入れられているのが分かる。
次に上位の位置にあるのは「器具使用のトレーニング」「ボウリング」。特に「器具使用のトレーニング」は前回調査から大きく値を伸ばし、「ボウリング」と順位が入れ替わる形となった。フィットネスクラブなどの流行も影響しているのだろうか。
大きく上昇している項目と言えば他には「ジョギング・マラソン」「卓球」「バトミントン」。逆に「サイクリング」は大きく値を落としている。
余談になるが65歳以上に限定すると次の通り。種類の並びは総数の時にあわせてある。
圧倒的に「ウォーキング・軽い運動」が多く、それに続く「器具使用のトレーニング」も10.6%。高齢層にとってスポーツとは、ウォーキングなどの軽い体操を意味するようだ。
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※社会生活基本調査
5年おきに実施されている公的調査で、直近分となる2016年分は2010年時点の国勢調査の調査区のうち、2016年の熊本地震の影響を受けて調査が困難な一部地域を除いた、総務大臣の指定する7311調査区に対して実施された。指定調査区から選定した約8万8000世帯に居住する10歳以上の世帯員約20万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2016年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2016年10月15日から10月23日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と回収方式。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。