【富士宮市】挑戦心を掻き立てる!夢を夢のままで終わらせない場所『オーランドパーク宍原』
新東名新清水インターから国道52号線を北へ約5キロの場所に『オーランドパーク宍原』がある。
鬱蒼とした森が続く清水区と富士宮市の境に切り開かれたオフロードバイクの練習場だ。週末になると、県内外から多くのオフロードバイク愛好家が訪れて、心地の良いエンジン音を響かせる。
バイク好きなら、気にならないわけがない。
そんなわけで、"取材"を名目にして好奇心を満たしに『オーランドパーク宍原』にやって来た。
国道52号線沿いから山を切り開いて作られたコースが見える。
オンロードしか走ったことのない私からしたら、砂と砂利の路面、段差や轍があるコースが恐ろしいものにしか見えない。
しかしここはまだ序の口、山の急な斜面を登って行ったり、木と木の間を迷路のように走る4キロものコースが続く。
夢の始まりは10年前。
何もない雑木林の草木を刈り、木を切って小さな重機1つで開拓を開始。コースに集まる仲間たちの手を借りて完成したというこのコース。
エンデューロ世界チャンピオンのジョバンニ・サラも認めたコースである。
ちょうどこの日は毎月に第1土日に行われる『太田塾』の日ということで、10時には参加者たちが集まった。
「子どもの頃、清水港から3メーカーのバイクが海外に輸出されていくのを見て、日本のバイクが世界に出て行くのに、なぜ日本のライダーは世界に出て行かないのか」と思ったとオーナーの太田誠氏が語ってくれた。
それが太田氏の挑戦の原点だったのではないだろうか。
2013年にはエンデューロの国際大会"FIM ISDE(INTERNATIONAL 6Days OF ENDURO ITALIA SARDEGNA)"へ親子で出場。
息子の太田真成氏は2008年エンデューロナショナルクラスチャンピオンを獲得。アジア人初のエンデューロ世界選手権参戦、ISDEシルバーメダリスト。モトクロス国際A級、エンデューロ国際A級。
太田幸仁氏は2018年に全日本エンデューロ選手権国際Aクラスで年間ランキング4位獲得。
2019年、2020年には年間ランキング5位を獲得。ISDEシルバーメダリスト。
『太田塾』は初心者からプロライダーまで学べる人気のオフロードバイクスクールだ。
世界に名を轟かせる選手から教えを請えるチャンスはなかなかないだろう。
基本をしっかりすれば事故や怪我もなく安全に楽しめる。楽しんで欲しいから、『太田塾』の教えは厳しいと太田氏が話してくれた。
恐ろしく見えたコースを悠々と走る姿を見て、胸が高鳴る。
今まで20年余り二輪車と慣れ親しんできた自分だが、こういう楽しみ方は経験したことがない。
バイクが宙を浮くのは、事故ったときだけだと思っていたが、ここでは人馬一体となり、宙をも飛んでいるのだ。
そんな姿を目の当たりにすると、自分が知っている二輪の魅力はほんの一角に過ぎないと実感する。
そして、この世界への魅力に執りつかれるのは言うまでもない。
夢に向かって前進する太田氏の夢はまだ続く。
清水区須須原及び富士宮市内房の山間地や河川敷を使い、舗装路から険しい山道まで多種多様なルートに挑む1周50キロ、それぞれを3周する200台参加可能なオフロードバイクスポーツ(オンタイム競技)イベントを計画。
「ローランドパーク宍原をオープンするにあたり、力を貸してくれた企業や行政、地域に恩返ししたい」というこの計画は、山間地が観光資源に代わり、地域活性化にもつながってゆく未来が見えるようだ。
地元でこんな楽しそうなイベントが開催されるとなっては、バイク好きとしては参加しないわけにはいかない。
太田氏の夢の実現は早い!それまでに私もある程度オフロードを走れるスキルを身につけたい。
今後の『太田塾』の開催日をチェックして、それまでに恐ろしく見えたあのコースを楽しみながら走ることができる自分になりたい!
そんな心地の良い焦りを感じながら、『オーランドパーク宍原』を出る。
背後から聞こえる歯切れの良いエンジン音と砂埃が私の焦りを掻き立てるようだった。
オーランドパーク宍原
交通アクセス:新東名高速道路 新清水ICから国道52号を北へ4.7km直進左手
太田塾:8月3日、4日、31日・9月1日・10月5日、6日…
詳細:有限会社M.C.S.KURITA
TEL:054-364-6789
*一度ドキュメンタリー的な記事を書いてみたかったんです!太田さんのチェレンジ心に感化されて、初挑戦してみました♪*