北朝鮮「美貌のウェイトレス」たちに異変…金正恩氏が命令か
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は10日、北朝鮮レストランが最も多く進出している中国・丹東の貿易業者の話として、「中国の北朝鮮レストランが夜の営業時間に行っていた歌と踊りの公演を、今月4日から急に行わなくなった。また丹東だけでなく、瀋陽の北朝鮮レストランも公演を中止している。レストランの従業員の話によると、中止は上層部の方針によるものだという」と伝えた。
北朝鮮レストランにとって、美人ウェイトレスたちによる歌と踊りの公演は最大の売り物だ。公演が今後も行われないならば、客足に深刻な影響が出るのは確実だろう。
(参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発)
RFAも、公演中止を知った地元の中国人たちが、一様に残念がっていると伝えている。
丹東のある市民はRFAに対し、「北朝鮮レストランで公演が行われないならば、営業に支障をきたすのは避けられないだろう。個人的にも、あの公演を見られなくなるのは非常に残念だ」と語っている。
(参考記事:20代美人ウェイトレスを直撃…「北朝鮮レストラン」の舞台裏)
また他の地元事情通は「公演をしなければ、客足が遠のくのは明らかであり、北朝鮮当局もこれを知らないはずがない。もしかしたら北朝鮮当局は、国際社会の制裁で営業不振に陥った海外のレストランを、一斉に閉鎖してしまうのではないだろうか」との懸念を表した。
しかし、外貨不足に陥っているはずの北朝鮮が、レストランを閉めてしまうとは考えにくい。実際、制裁により従業員たちの現地労働ビザの取得が困難になる中、北朝鮮当局は留学生を違法に働かせるなどして、レストランの経営維持のため悪戦苦闘してきた。
ちなみに冒頭の貿易業者は、「『方針』という言葉は、北朝鮮では最高指導者の指示を表す言葉だ。そのため公演の中止は、金正恩党委員長の指示によるものと解釈できる」と解説している。
この説明と時期的なタイミングを合わせて考えるとき、公園の中止は、金日成主席の追悼期間(今月8日が命日)のためである可能性がある。
ちなみに、丹東の別の事情通はRFAに対し、「数ヶ月前から5人前後の北朝鮮女性で構成された歌舞団が中国の金持ちの誕生パーティーなど公演を披露し、外貨稼ぎを行っていたが、こちらも今月に入って北朝鮮に撤収した」と述べている。
北朝鮮国内でも、追悼期間には歌や踊り、祝い事の類は中止させられ、違反すれば最高指導者の権威を傷つけたとみなされ処罰される。
(参考記事:金正恩命令をほったらかし「愛の行為」にふけった北朝鮮カップルの運命)
北朝鮮レストランは、外国人が同国の人々と気軽にコミュニケーションを取れる数少ない場だ。公演中止が、一時的なものであることを願いたい。