親子で気になるお年玉の平均額、その実態を探る
子供にとって数少ない臨時収入の機会だが、同時に保護者には臨時支出の機会となる、お正月におけるお年玉。子供の手元に大きな金額が渡ることになるものの、子供同士でも正確な額を語りあう機会はさほどなく、実態としてどの程度の額が平均的なものなのかは把握し難い。今回は金融広報中央委員会「知るぽると」が5年おきに実施している、小学生から高校生を対象にした金銭に係わる様々な問題を対象にした調査「子どものくらしとお金に関する調査」の調査(※)の最新版にあたる2015年分の公開結果をもとに、そのお年玉の額面における実情を確認していく。
まずは回答年の正月にお年玉をもらったか否かについて。ほぼ全員がお年玉をもらったと回答している。
それではもらった人は、合計額としてどれほど受け取ったのだろうか。設問では金額の仕切り分けの中で当てはまる選択肢を回答してもらっているが、その選択肢の中央値を元に平均値を試算したのが次のグラフ。お年玉の受け取りには誰から受け取るか、何人から受け取ったなど多様な条件があり、それによって受取額も多分に変化するので、今件はあくまでも全体的な平均値として認識してほしい。また、大人が子供一人あたりに渡した額でもないことに注意。
小学生は低学年で1万円足らず、中学年から高学年で2万円台、中学生になると3万5000円程度で、高校生でもさほど変化は無い。高校生になると中学生と比べ、受け取る機会が少なくなるのが額面の上昇ぶりが大人しい要因かもしれない。
これを男女別に見たのが次のグラフ。高校生だけに限定して試算したが、小学生も中学生も大よそ同じような状況。
実のところ男女別ではお年玉の総額に大きな変化は無い。ほぼ同額となっている。
むしろ興味深いのは地域別。こちらも一番額面が大きく差異が出やすい高校生に限定して試算したものだが、東北地方が一番少なく、北海道が一番大きな結果となった。
東北が他と比べて一段と低い額面を示しており、それ以外はほぼ横並び。人口密集地帯の巻頭や近畿がとりわけ高いかといえばそうでも無く、関東はまだしも近畿はむしろ低い方に含まれる。北海道は断トツで4万円近いが、次いで四国が3万7900円と続いている。
繰り返しになるがこれらの金額は、親戚の多い少ない、兄弟姉妹数の多少を考慮せず、全部まとめた上での平均額となる。親戚が多ければ正月に会う機会が増え、お年玉をもらえるチャンスも増える。
最後は全体額ではなく、渡す人単位の額。親戚の人数次第で額面は大きく変わるが、一人あたりの額面は調査項目には無いため、渡す人が比較的限定しやすい「親(家の人)から」に関する金額を、渡す人単位の額面と見なして平均額を算出した(両親別々から手渡されるケースは想定しない)。また、親からのお年玉の場合、額が兄弟姉妹の数に左右される場合が多々あるため、兄弟姉妹数別に計算している。
いくぶんイレギュラーが生じているが、ほぼ高学年の方が額は多く、また兄弟姉妹が多いほど(子供一人あたりの)額は少なくなる。一人っ子の場合は一段と額面は大きなものとなる。親の負担を考えると、これも致し方あるまい。
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※金融広報中央委員会
金融経済団体、報道機関、消費者団体等の各代表者、学識経験者、日本銀行副総裁で構成され、日本銀行情報サービス局内に事務局を置く、暮らしに身近な金融に関する幅広い広報活動を行う組織。政府、日本銀行、地方公共団体、民間団体なども協力している。
※子どものくらしとお金に関する調査
直近分は2015年12月から2016年3月にかけて、小学生~高校生に対し無記名式(学校を通した自記式)で行われたもので、有効回答数は5万0149件。