お金を得ることだけが副業の目的ではない
副業と言うとどうしてもお小遣い稼ぎというイメージが強くなりますが、収入を得るだけでなく、他にも多くのメリットがあります。特に大きなメリットとして「スキルアップ」、「人脈構築」、そして「リスクマネジメント」が挙げられます。
副業には本業以外の能力値を向上させる機会が数多く存在します。
例えばIT企業に勤務する営業担当者がウェブサイトのデザインやプログラムを学ぶことにより、クライアントに新たな提案ができる可能性もあります。同じ職務だけ続けている人と、実益も兼ねて新しいことにチャレンジし続けている人とでは、複数の視点や経験の差が生まれ、結果として本業での成果も大きく変わってきます。
人脈構築も同様です。自分が動かない限り、新たな出会いは生まれません。
会社内という限られた環境での知識と、複数の業界の人間と情報交換して得た知識はまったく違います。あなたの得意分野を提供することで、相手はあなたのことを信頼し、関係性は深まっていきます。
私はこれまで、さまざまなイベントや情報交換会・異業種交流会で、企業や地方自治体、美容室などの店舗経営者、個人事業主など数多くの人と会ってきましたが、情報発信が得意という経営者に会ったことはほとんどありません。
多くの団体や個人が自社・自分のPRに困っているのです。その場でできる限り価値を提供することで、信頼関係が生まれ、その後の仕事に繋がることも少なくありません。とはいえ、最初から強引に仕事を獲得しに行く必要はなく、まずは信頼関係を積み上げていくことで、人脈は太く強く、そして広がっていきます。
なお、名刺の枚数と人脈はまったく関係ありません。
いくら名刺交換をしたからと言って信頼関係が構築されていなければその後の展開はありません。信頼関係を構築するためには、自分の持っているお役立ち情報を隠すこと無く提供することが大切です。
Give & Takeではなく、すべてGiveの気持ちで相手が喜んでもらえると思えることを伝えていきましょう。いずれ巡り巡って大きなTakeが返ってきます(期待せずに忘れたことに訪れるつもりで待ちましょう)。
いまはSNSが普及しているので、FacebookやTwitter、ビジネス目的であればLinkedInなどでゆるく交流を図りつつ、自分の得意分野の情報を発信したり、困りごとを抱えている人にアドバイスしたりして、知り合った方からの信頼度を向上させましょう。
自分が困ったときに助けの手を差し伸べてくれるような関係性になって、はじめて人脈となります。
なお交流といっても、相手の投稿に対して関係ないコメントをしたり、定形の挨拶をしたり、名刺交換した相手に対して勝手に自分のメールマガジンを送りつけるのは論外で迷惑がられますので注意しましょう。
そして忘れてはならないのがリスクマネジメントです。
いま勤務している会社がいつまでも存続している保証はありません。業績が安定している間に、自分のスキルを向上させ、人脈を広げておくことが、会社が倒産した際の最大のリスクヘッジになります。
日産やANAなどの大企業でも、新型コロナウィルスというブラック・スワンによって巨額の赤字を抱えてしまうのです。現在の社会で絶対に安全ということはありません。突如として働き先がなくなってから転職先(収入源)を探すのと、事前に準備していた人とでは気持ちや金銭面の余裕度は大きく変わります。
副業=副収入という目先の話ではなく、自分の将来を豊かにするための選択肢を増やすという思考で行動してみることをお勧めします。