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【秋田県由利本荘市】矢島駅から徒歩すぐ!昭和12年創業の「多賀部食堂」で人気の焼肉弁当を満喫

佐藤らなこ地域情報発信ライター(由利本荘市・にかほ市)

こんにちは!地域情報発信ライターの佐藤らなこです。

ここのところ、由利本荘市の本荘地域や西目、大内、岩城と自宅から比較的近いところを中心にまわっていましたが、今回はちょっぴり足を延ばして矢島地域へ。

矢島に詳しそうな方々にお昼ご飯におすすめのお店を聞いてみたところ、必ずと言っていいほど名前があがったお店がありました。

というわけで本日は、昭和12年創業の老舗「多賀部食堂」をご紹介します。地域住民にも旅行者にも人気のお店です。

矢島駅から徒歩すぐ!「多賀部食堂」

多賀部食堂の外観
多賀部食堂の外観

「多賀部食堂」は、由利高原鉄道の矢島駅の目の前にあります。列車で駅に降り立った方も迷うことなく行けます。徒歩数分かかるどうか...本当にすぐそこ!駐車場もあるので、車でのアクセスも問題ありません。

店主さんのお話によると、この辺りは昔、馬や牛を使って木材を運ぶ人々が通る道があり、交通の要衝だったそう。

初代店主さんは、先見の明があったのでしょう。ここが人の集まる場所になるだろうと、昭和12年にお茶屋として創業。翌年には矢島駅(国鉄)が開業し、その後「多賀部食堂」はうどん屋、そして食堂へと形態が変わっていったんだそうです。

店内の様子

カウンター席とテーブル席
カウンター席とテーブル席

「多賀部食堂」の入口は2ヶ所あります。

お店に入ってすぐのところには、4人がけのテーブル席が2卓。カウンターには6席並んでいました。

カウンターの上部や天井の梁には、手書きのメニュー(短冊)がずらずら~っと張り出されています。きれいな字で見やすい!そこかしこから昔ながらの食堂の雰囲気が感じられて、ほっとする昭和生まれの私(笑)

小上がりの座敷席
小上がりの座敷席

奥には、小上がりの座敷席もあります。1テーブルに3人は座れるかな。今回私はこの座敷席を利用させていただきました。

平日13時過ぎの訪問でしたが、仕事のお昼休みらしき方々とご家族と合わせて3組いらっしゃいました。年齢層も幅広かったです。

以前、週末に訪れた時にはお子様連れのご家族が多い印象でした。土日は由利高原鉄道を利用して矢島駅に来られる家族や鳥海山がお目当ての観光客の利用が多いそうです。

おしながき

おしながき
おしながき


短冊のメニューの他、写真のようにまとまったメニュー表も座敷席とカウンター席の近くの壁に貼られています。

見てみると...ラーメン、うどん、そばなどの麺類の他、丼や定食などがあります。

元々うどん屋だったということで、創業時から代々通ってくださっている地域の方々にはうどんが人気とのこと。店主さんも「ぜひ一度はうどんを食べていただきたい」とおっしゃっていました。麺は地元の食品会社で作ってもらっているものを使っています。

当初は子吉川で獲れる魚の定食、うどん、そば、冷や麦が主でしたが、お客様からのリクエストでラーメン、丼ものとメニューが少しずつ増えていったそうです。

人気の焼肉弁当

焼肉弁当(800円)
焼肉弁当(800円)

食べるものが決まったらお店の方に声をかけて注文します。お水はセルフサービスです。

今回私は、焼肉弁当(800円)を注文しました。お味噌汁もついています。

焼肉弁当が人気だという情報を事前に仕入れていたこと、また「多賀部食堂」に行く前に矢島駅内の観光案内所に立ち寄り、スタッフの方に聞いてみたところ、観光客には焼肉弁当をおすすめしているとのことで、即決定!

お肉は八幡平ポーク
お肉は八幡平ポーク

ドキドキ&ワクワクしながら重箱の蓋を開けると...おいしそうなお肉!八幡平ポークだそう。甘じょっぱいタレが染みてておいしい!

その下に隠れているご飯は、地元産のお米“ひとめぼれ”です。

ちなみに私は由利本荘市に引っ越してきて、初めて“ひとめぼれ”を食べました。これまで“あきたこまち”しか食べてこなかった私としては、とても新鮮です。

市内の飲食店では「ひとめぼれを使っています」という貼り紙をよく見かけ、食べる機会が急に増えました。おかげさまで、“ひとめぼれ”のおいしさも知ることができています。

店主さんによると、“ひとめぼれ”の方が「多賀部食堂」のおかずとの味の相性が良いとのこと。また、お味噌汁の味噌も“ひとめぼれ”を使って、地元の味噌店で「多賀部食堂」用に作ってもらったものなんだそう。

焼肉だけではなく、ご飯やお味噌汁もしっかり味わっておきたいなと思いました。

野菜炒めと漬物
野菜炒めと漬物

お肉を1枚ペロッとめくったら、野菜炒めが顔を出しました。もやし、人参、キャベツ、ネギ。お肉だけではなく、野菜も添えられているのは栄養バランス的にも嬉しいです。箸休めの漬物もついていますよ。

秘伝のタレがたっぷりと。
秘伝のタレがたっぷりと。

羽後本荘駅前にあるお店の焼肉弁当がお気に入りだった2代目店主さん(現店主のお祖母様)が、「多賀部食堂」でも作れないかと考えたのが、焼肉弁当の誕生のきっかけ。

しかし他店と全く同じものにはならないようにとアレンジを加えた後に、提供を開始しました。約60年継ぎ足しのタレなんだそうです!長く通われている方は変わらない味にきっとホッとされていることと思います。

私はお肉とご飯をちょうどいい配分で食べることができなくて、後半ご飯を余らせてしまいました。でも!タレの染みたご飯ってなんでこんなにおいしいんでしょう!最後まで焼肉の余韻に浸ることができました(笑)

店主さんもタレと肉の脂が染みた、このご飯の部分が大好きとのこと。ちなみにご飯とお肉が別になった焼肉定食(950円)もあります。あなたはどちらがお好みですか?

肉うどん

肉うどん(600円)
肉うどん(600円)

他のメニューも気になると思いますので、いくつか簡単にご紹介しますね。こちらは、肉うどん(600円)です。


それは2年前のことでした。これまで肉うどんというとお肉は牛肉か豚肉だったので、鶏肉だったことに驚いたのと同時にとても興味深かったことを覚えています。

その話をしたところ、店主さんは私の逆で、市外のお店で肉うどんを注文したら、鶏肉じゃなかったことに驚いたんだそう。

同じ秋田県内でも、地域によって食文化が異なることを気付かされたのが、私の場合は「多賀部食堂」の肉うどんでした。

この辺りでは昔、鶏肉が手に入りやすかったので出汁や具材として使っていて、今に至るそうです。

もやしらーめん

もやしらーめん(650円)
もやしらーめん(650円)

こちらのもやしらーめん(650円)も、肉うどんと並ぶ人気メニュー。

今回の取材中、他のお客様が食べているものをチラッと見たり、注文に聞き耳を立てたりしていましたが、みなさんそれぞれでした。

大盛りにしたり、半ライスを追加したりしている方も。値段もリーズナブルなので、自分のお腹具合や好みに合わせてアレンジしやすいと思います。鶏肉増しや焼肉増しもできるようです。

「矢島爆盛FOOD FIGHT」対象店

矢島爆盛FOOD FIGHTのチラシ(※一部加工)
矢島爆盛FOOD FIGHTのチラシ(※一部加工)

現在矢島地域では、“矢島爆盛FOOD FIGHT 2024”(外部リンク)というイベントが行われています。これは10月31日(木)までの期間中に、地域内の大衆食堂9店舗をまわって名物メニューや限定メニューを食べ歩こうというものです。


「多賀部食堂」も対象店舗で、イベント限定メニューとして“焼肉弁当特盛”(1,400円)を準備しています。重箱ではなくどんぶりにお肉、ご飯、お肉、ご飯と4層に盛られているんだそう。「我こそは!」という方はぜひ食べに行ってみてはいかがでしょうか?

【多賀部食堂】
住所:秋田県由利本荘市矢島町七日町羽坂21-6
電話番号:0184-55-2563
営業時間:6:30~14:00
定休日:木曜日
(※朝6:00~8:00は営業)
駐車場:あり
公式Instagram(外部リンク)

※本記事に記載の情報は取材時のものです。

地域情報発信ライター(由利本荘市・にかほ市)

生まれも育ちも秋田市。夫の転勤に伴い、2022年より由利本荘市在住。おいしそうなものや楽しそうな場所、おもしろそうなことにいつもアンテナを張っています。元旅行会社勤務の視点と住民目線との両方から由利本荘市とにかほ市の魅力を発掘し、ワクワク楽しくなる情報をお届けします。

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