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ゴルフ界の泥沼戦争は法廷闘争へ突入。ミケルソンなど11名がPGAツアーを相手取り、訴状提出

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

 ゴルフ界の泥沼戦争が、ついに法廷闘争へ突入することになった。

 サウジアラビアの政府系ファンドをバックに付け、グレッグ・ノーマンが率いる新ツアー「リブゴルフ」へ移籍したことで、PGAツアーからそのメンバー資格を停止されているフィル・ミケルソンなど11名が、PGAツアーを相手取り、資格停止の取り消しやシーズンエンドのプレーオフ・シリーズへの出場を求める訴状を提出した。米国紙「ウォールストリートジャーナル」が8月3日に報じた。

 法的手段に訴えたのは、ミケルソン、ブライソン・デシャンボー、テーラー・グーチ、マット・ジョーンズ、ハドソン・スワフォード、エイブラハム・アンサー、ジェイソン・コクラック、カルロス・オーティス、パット・ペレツ、イアン・ポールター、ピーター・ユーラインの11名。

 このうち、グーチ、ジョーンズ、スワフォードの3名は、リブゴルフへ移籍した時点では、PGAツアーのフェデックスカップ・ランキングで125位以内に位置しており、8月11日から始まるプレーオフ・シリーズへの出場資格を満たしていたことから、メンバー資格停止の取り消しとともに、プレーオフ・シリーズへの出場も求めている。

 米ゴルフウィーク誌が入手した訴状には、こんな下りが記されている。

「独占的な力を強めてきたPGAツアーは、競争原理に反する抑制力を行使することで長年の独占力を守ろうとしている」「私たちゴルファーのキャリアと生活を侵害しようとしている」

 訴えを起こした11名のうちの1人であるアンサーは「こういう形になることを望んではいなかったが、手に入れた資格は行使したい。モノゴトは日々、変わるものだし、僕はリブゴルフに行ったが、世界中で戦いたい」と語っている。

 これに対し、PGAツアーのジェイ・モナハン会長は、即刻、PGAツアー選手たちにメモを配布し、「安心してほしい」と呼びかけた。

 「PGAツアーを阻害しようとする試みから我々のメンバーシップを守るために、PGAツアーはしっかり備えてきた。根本的に、PGAツアーから資格を停止されている彼らは、自らPGAツアーを去ったにも関わらず、戻ろうとしているのだから」

 モナハン会長は、メモの中でそう綴り、「この法的闘争に自信を持つべき」と胸を張っている。

 戦いの場は、ついに法廷へ。来週から始まるプレーオフ・シリーズが争点に含まれていることから、スピーディーな展開になるのではないかと米メディアは見ている。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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