それでも「食べログ」が悪いのか!?
下記のように、食べログ側と店側との訴訟の判決がありました。
食べログと店側の訴訟については珍しい事ではなく、これまでもいくつか報道されています。その多くは店側が食べログに対して掲載の削除を求めたものです。今回も、店側が食べログ側に関して、店の紹介自体、すべてを削除することを求めたものでした。結果としては訴えを棄却されています。昨年の9月にも同等の判決が札幌地裁で下されています。
しかし、この2つに関しては原告の求めは掲載自体の削除であっても、その理由が異なります。前者は食べログ側が無断で掲載した内容自体の削除を求めたことに対して、後者は、掲載は当初黙認、あるいは認めたものの、結果として悪評につながるコメントを利用者が書き込んだ事によって、その部分を中心に削除を求めたことです。後者に関しての判決は、理解できる部分はあるとしても、前者の要求を退けた事には異論があります。
「食べログ」のビジネスモデルとしては、飲食店を網羅した上で、利用する「客」が評価することですが、網羅という前提が壊れる故に、飲食店側の拒否権を認めたくないのでしょう。「表現の自由」を盾に取るのであれば、店固有の情報について、その利用目的に制限を与える自由および権利を有して然るべきではないでしょうか。店側にとって都合の良い情報のみの掲載を強要するのではなく、単に店の情報を公開したくないということは十分、店側の裁量の範囲内で有ると考えられます。
判決理由の一つに「店のウェッブを公開している」とのことですが、ウェッブを単に公開することと、「食べログ」というある意味、強力な検索システムに掲載することは雲泥の差があります。ウェッブを上げるだけでは、URLを知らない限り、あるいはよほど特異な検索キーワードを入れない限り見つけることはできません。