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【長崎市】海洋ゴミをアップサイクルして生まれたアクセサリー!10(土)は夏休みワークショップも開催。

misahanaライター(長崎市)
2024/8/5取材・撮影(一部写真提供:兼子漁具株式会社さま)

みなさん、こちらのカラフルで美しいアクセサリーは、何の素材でできていると思いますか?実は、長崎の海で拾ってきた海洋ゴミからできています。

アクセサリーは、京泊にある兼子漁具株式会社で製作されています。先月、7月中旬より販売を開始しました。兼子漁具は、昭和22年創業の老舗漁具店。船具や漁具、釣具、海上給油事業などを行っている会社です。

兼子漁具株式会社外観(写真提供:兼子漁具株式会社さま)
兼子漁具株式会社外観(写真提供:兼子漁具株式会社さま)

今回、アクセサリーが生まれた経緯、実際にどのように製作されているのかなど、兼子漁具の兼子修治さんに、たっぷりとお話を伺いました。

海洋プラゴミのアクセサリー誕生秘話

兼子さんは、海洋プラスチック問題の「海プラプロジェクト」に取り組む九十九島水族館海きらら(佐世保市)を訪れた際、漂着ゴミの展示を目にしたそう。「その時に、うちで販売している船具や漁具などがたくさんあり、愕然とした」と話します。これまでも、海洋ゴミの問題があることは認識していたものの、当事者意識が芽生えた瞬間でした。

清掃活動の様子(写真提供:兼子漁具株式会社さま)
清掃活動の様子(写真提供:兼子漁具株式会社さま)

長崎県は、日本一海洋ゴミの漂着地であり、中でも海洋プラスチックは400年以上も海を漂うと言われています。漁具店として、この問題に取り組まなければならないと考えました。

写真提供:兼子漁具株式会社さま
写真提供:兼子漁具株式会社さま

そこで、かわいらしく、手に取ってもらえるものをと考えたのが、海洋プラゴミをアップサイクルしたアクセサリーでした。「日常的に身に着けることができるアクセサリーを通して、海洋ゴミの問題を認知してもらえれば」と兼子さんは話します。

画像提供:兼子漁具株式会社さま
画像提供:兼子漁具株式会社さま

ブランド名のウミーワ・インテリアには、「海洋ゴミについて考える人が、輪になって広がって欲しい」という願いが込められています。

アクセサリーを身に着けている人はもちろん、その周りの人にもアクセサリーを目にしてもらうことも狙いのひとつ。「アクセサリーをきっかけに、自然と海洋ゴミの問題について会話が広がっていくと嬉しい」と兼子さんはほほえみます。

アクセサリーができるまで…

海辺の清掃で目にするのは、このような生活ゴミが多いそうです。ペットボトルキャップやブイ、目薬のキャップ、インスタントコーヒーの蓋までありました。普段、私たちが日常で目にするものばかりです。川や用水路などから、海に流れ着いています。

海辺の清掃で集まった海洋ゴミ
海辺の清掃で集まった海洋ゴミ

黒色の三角コーンのようなものは、鰻カゴです。軽くて流されやすいのか、たくさん漂着しているそうです。まずは、集めたこのようなプラスチックゴミを丁寧に洗浄します。

裁断したプラスチック片(写真提供:兼子漁具株式会社さま)
裁断したプラスチック片(写真提供:兼子漁具株式会社さま)

その後、水産バサミで細かく裁断します。兼子さんは、いろいろな器具で試し、現時点では、水産バサミが一番良いという結果になったそう。試行錯誤しながら製作しています。

プレス機(写真提供:兼子漁具株式会社さま)
プレス機(写真提供:兼子漁具株式会社さま)

そして、色を組み合わせ、を加えながらプレスし、薄く伸ばします。再度、冷却してプレスすると、このような薄い状態になります。とても軽く、和紙のような雰囲気もありました。

この時点で、とてもきれいです。ゴミだったとは思えません。あじさいステンドグラスのようにも見えてきます。色の広がり方は、プレスしてみないと分からないため、同じものはひとつとしてありません。

その後、デザインを決め、アクセサリーを製作します。アクセサリー以外にも、バッジやキーホルダー、コースターなどもありました。海洋ゴミと一緒に拾った貝殻などを、パーツとして使用することもあるそうです。

コースターと長崎モチーフのバッジ
コースターと長崎モチーフのバッジ

現在は、長崎ハタや長崎くんちのくじら、軍艦島、五島椿など、長崎らしいモチーフの製作も進めています。史跡・出島のピンバッジのゴールドは、インスタントコーヒーの蓋を活用しているそうです。

製作背景を知ることで、どのような海洋ゴミが使われているのか、想像しながら見ていくのもおもしろいです。ゴミ拾いも、素材集め・色集めと思うと、楽しんでできそうな気がします!

世界にひとつだけのアクセサリー作りを体験しよう!

ご紹介してきたアクセサリー作りは、私たちもワークショップで体験することができます。海洋ゴミまたは街ゴミを持ち込むと、500円引きで体験できるそうです。プラスチックゴミ以外でも大丈夫!ぜひ、お友達同士やご家族で参加してみませんか?

  • ワークショップによって、体験内容は異なります。
キーホルダー
キーホルダー

8/10(土)なつやすみ工作ひろば

夏休みの工作作りを行えるイベント。アクセサリーやキーホルダー、コースター作りなどが体験できます。その他にも、木工細工やオリジナル時計づくりなど、いろいろなワークショップが開催されるそうです。詳細は、兼子漁具のHPにてご確認ください。

なつやすみ工作ひろばチラシ(画像提供:兼子漁具株式会社さま)
なつやすみ工作ひろばチラシ(画像提供:兼子漁具株式会社さま)

なつやすみ工作ひろば
主催:きくまる企画
日時:8月10日(土)10:30~17:00(※イベントは11日も開催。兼子漁具の出店は10日のみ)
定員・年齢制限:なし
参加費:1,500円 (海洋ゴミ持参の場合1,000円)
お支払:当日現金のみ
場所:おけいこの実(西彼杵郡時津町浜田郷758-4)
予約:8/10ワークショップ申込フォーム

兼子漁具内ワークショップ(完全予約制)

イベントには参加できないけれど、ぜひ体験してみたいという方もご安心ください。兼子漁具店で2名以上から体験予約ができます。町や海で、自分で拾ってきたゴミを使って製作すると、さらに愛着が湧く作品ができそうですね。

場所:兼子漁具株式会社(京泊2-7-22)
所要時間:30分~1時間程度
体験料金:一人2,500円(海洋ゴミまたは街ゴミ持参で500円引き
製作物:キーホルダー、ピンバッジ、ピアス、イヤリング、指輪、コースターなど
申し込み:ご希望の日時を兼子漁具公式Instagramまたは公式LINEにて

夏休みに海や川で遊んだ後は、少し海洋ゴミの問題にも目を向けてみませんか?楽しい体験とあわせて、私たちが暮らす長崎の海について考えてみてはいかがでしょうか。

兼子漁具株式会社
ウーミワ・インテリア
住所:京泊2-7-22
営業時間:平日6:00~17:00/土曜6:00~16:00/日・祝6:00~14:00
TEL:095-850-5678
公式Instagram:兼子漁具ウミーワ・インテリア
取材協力・一部写真画像提供:兼子漁具株式会社 兼子修治様

ライター(長崎市)

生まれも育ちも長崎市。長崎くんちが待ち遠しい「じげもん」です。初めての育児に奮闘中!古民家カフェとローカルな史跡巡りが好き。長崎での暮らしが、今よりもっと楽しくなるような情報をお届けします。

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