「いつの間にか」開始されていたリブゴルフのポイントレース。「年間王者のボーナス26億円」は対抗心!?
グレッグ・ノーマン率いる「リブゴルフ」で、PGAツアーのフェデックスカップとよく似たポイントレースが、いつの間にか開始されていることがわかった。
リブゴルフは、先週の9月2日から4日に米マサチューセッツ州ボストン郊外で開催された第4戦を終え、次戦は9月16日から米イリノイ州シカゴ郊外で5戦目を迎えようとしている。
キックオフしたばかりの今年は年間8試合が予定されており、そのうちの7試合は個人戦とチーム戦が並行して行われる「レギュラー大会」。8試合目となる最終戦はチーム戦のみで競われるシーズンエンドのチーム・チャンピオンシップとされている。
リブゴルフの各試合の出場者は48名。初年度の今年はその48名の枠が「早いもの勝ち」、あるいは「強いもの勝ち」「スター性のあるもの勝ち」で埋められていく「椅子取りゲーム」的な状態。名前や実績のある大物選手や世界ランキングがより高い選手が新規参入するたびに、そうではない選手が押し出される光景が、ほぼ毎回、見られている。
しかし、今年の8月はじめごろのリブゴルフからの発表によれば、今年の全8試合が10月末で終了したら、その後は、来年に開催が予定されている年間14試合に出場する48名の顔ぶれが固定され、2023年は年間を通じて、その48名の顔ぶれは「変わらない」とされている。
だが、何を基準にどうやって来年の48名を決定するのかという方法については、今なお曖昧にされている。
一方で、いざ2023年シーズンが開始されてからは、リブゴルフ独自のポイントシステムが導入され、毎試合、48名中の上半分に当たる上位24名にポイントが付与され、全14試合終了後、やはり48名の上半分に当たる24名に翌年の出場資格が付与されること、下位4名がリブゴルフから「降格」となることなどが8月時点で発表されていた。
いずれにしても、リブゴルフにおけるポイントレースが開始されるのは2023年からとされていたはずなのだが、このポイントレースが、いつの間にか、今年6月にロンドン郊外で開催された初戦まで遡って開始されていることがわかった。
リブゴルフのHP(ホームページ)に9月5日付けで示された詳細によると、ポイントレースの対象とされているのは、今年の初戦から第7戦までの「レギュラー大会」7試合。
各大会における成績に応じて、優勝は40ポイント、2位は30ポイント、3位は24ポイントという具合にポイントを傾斜配分し、24位には1ポイントを付与するが、25位以下は0ポイント。
7試合で獲得した合計ポイントによるランキングで、1位に輝いた「年間王者」にはボーナスが1800万ドル(約25億9000万円)、2位には800万ドル(約11億5000万円)、3位には400万ドル(約5億7600万円)が授けられるという内容だ。
形としては、PGAツアーのフェデックスカップのポイントレースと、そっくりである。
そういえば、今年8月末にPGAツアーのツアー選手権を制して、年間王者に輝いたローリー・マキロイが手にしたフェデックスカップ・ボーナスも1800万ドルだった。
それとまったく同額のボーナスがリブゴルフの年間王者にも授けられるというあたりに、PGAツアーに対するノーマンの並々ならぬ対抗心が見て取れる。
ちなみに、リブゴルフの第4戦を終えた現時点でのポイントランキングで1位に付けているのはダスティン・ジョンソンだ。ロンドンの初戦で12ポイント、第2戦で18ポイント、第3戦で24ポイント稼ぎ、第4戦で優勝して一気に40ポイントを獲得したジョンソンは現在94ポイントで突出している。
ランキング2位はブレンダン・グレースで77ポイント、3位はカルロス・オーティスで48ポイント。
参考までに、第4戦から姿を消した日本人選手4名の名前も、このポイントレースには載っており、香妻陣一朗は19位(17ポイント)、稲森佑貴は32位(7ポイント)、木下稜介は35位(6ポイント)、谷原秀人は43位(3ポイント)となっているが、これらの数字は彼らにとって、もはや意味をなさないものなのではないだろうか。