金谷拓実がQスクール突破で来季PGAツアーは日本勢5名だが、日本ツアーは一層淋しくなる #ゴルフ
金谷拓実がPGAツアーのQスクール(予選会)最終ステージで3位に食い込み、2025年のPGAツアー出場権を手に入れた。
このQスクールは、来季のPGAツアー出場資格を競い合う「大会」だが、下部ツアーのコーンフェリーツアーによる大会に位置付けられ、米フロリダ州ポンテベドラビーチのTPCソーグラスの2コースで、12月12日から15日の4日間72ホールで争われた。
来季のPGAツアーへの切符を獲得できるのは「上位5位タイまで」とされており、金谷はトップ通過したラント・グリッフィンから4打差の通算5アンダー、単独3位で狭き門を突破した。
また、金谷を含め、4位タイまでの6名が2025年シーズンをPGAツアーで戦う資格を手に入れた。
その6名は、PGAツアーカードを持っていながら、2024年にシード落ちを喫し、来季の返り咲きを成し遂げた選手が3名、金谷のようにPGAツアーカードを初めて取得した選手が3名。
トップ通過のグリッフィンは、2018年にPGAツアーのメンバーとなり、2019年にヒューストンオープンで初優勝。以来、PGAツアーで戦い続けてきたベテラン選手だが、今季は不調でシード落ち。しかし、Qスクールをトップ通過したことで、来季も今まで通り、PGAツアーを主戦場とすることができる。
そんなグリッフィンは36歳、Qスクール2位通過のヘイデン・バックリーも同じく返り咲き組で28歳。そして、PGAツアーカードを初めて取得した金谷は26歳と、上位3名の年齢が比較的、高いことは、PGAツアーに留まることやPGAツアーへ辿り着くことが、それだけ難しくなっていることの反映と考えられる。
PGAツアーの公式サイトでも、金谷がPGAツアーカードを獲得したことを「長い旅だった」と表している。
「元世界のトップアマチュアに数えられ、日本ツアー7勝のチャンピオンのタクミ・カナヤが待望のPGAツアーカードを手に入れた。ハイレベルの大会では、すでにお馴染みの存在で、メジャー大会出場歴はすでに11大会。世界ランキングでは49位に位置し、2024年は日本ツアー賞金王にも輝いたが、これまで一度もPGAツアーカードを手にしていなかった」
金谷はQスクールのセカンド・ステージから挑み、最終ステージへ進出した。最終ステージでは、ただ一人、4日間すべてをアンダーパーで回り、高い安定性を示して、3位の座を射止めた。
来季のPGAツアーは、松山英樹、久常涼に加え、コーンフェリーツアーから昇格した大西魁斗、DPワールドツアーから昇格した星野陸也に金谷が加わり、日本勢は5名となる。女子の米LPGAの来季の日本勢は13名。世界に挑む日本勢がこれほど多くなるのは史上初で、男女とも日本のツアー(JGTO、JLPGA)のレベルが上がっているからこその快挙であることは間違いない。
しかしながら、日本の男子ツアー(JGTO)の人気がなかなか高まらないことは不思議なほどで、効果的な対策が待たれ続けていることは言うまでもない。
とはいえ、実力ある選手は、ツアーの動きより早く自分自身が動き、世界へチャレンジしていくということなのだろう。
金谷の待望のPGAツアー入りを祝福する一方で、これまで以上に顔ぶれが淋しくなるJGTOの来季がとても心配になる。