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70年前に女性に参政権が与えられたけど、女性の政治・社会参画は進んだのか?18歳選挙権時代を考える1

原田謙介政治の若者離れを打破する活動を10年以上
都内高校での模擬選挙の様子

選挙権年齢が2016年の参議院選挙から18歳以上へと引き下げられることが先日国会にて決まった。

公職選挙法なる選挙に関わる法律が改正されたのだ。これで2016年夏から日本では「18歳選挙権時代」に突入する。

今後の教科書に必ず載るような歴史に残る変化なわけです。

でも、「選挙権年齢が18歳以上へと引き下げられた」という”だけ”にはしたくない。選挙権年齢引き下げをきっかけに「若者の社会参画が進んだ」「若者の力を社会に活かすようになった」と歴史に残ってほしい。というより、そう残るように色々と今年度、来年度あたりは動きを進めていかなきゃいけない。

「18歳選挙権時代を考える」とのシリーズ的に色々と書いていこうと思う。

罰則規定のない法律がかわっただけ

何が変わったっていえば、罰則規定のない法律が変わっただけ。権利である選挙権、これの年齢が2歳下がっただけ。

もちろん、大きな変化であるのは間違いないのだが、これだけで社会に大きな変化が起きるわけではない。

法律が変わったとしても、人の意識が変わらなければ社会全体の変化にはつながらない。その法律に関する様々な環境が変わらなければ、人の意識も変わらない。

例えば、約1カ月前ぐらいに、自転車の交通違反に関する罰則が厳しくなったことは記憶に新しい。イヤフォンを付けたままの走行や、車道脇の逆走などについての取り締まりが厳しくなった。この場合は選挙権年齢とはちがい、違反をすると罰則が科される。それでも、自転車走行のマナー変わったか?自分の生活圏の範囲だとそんなに変化は感じないです。変わるためには、自転車走行のルールに関して、自転車に載る人、そして歩行者・車の運転手に対しての啓発が進む必要がある。自転車専用道の整備などの環境整備も必要。

(そもそも、自転車は基本的に車道を走ることになっているのに、横断歩道の横に自転車の横断レーンがあるのが解せない)

70年前に女性にも参政権が与えられたが女性の参画は進んだか?

今回の選挙権年齢引き下げと密接に関わる法律の変更の例も紹介する。

何を隠そう70年前の公職選挙法改正のこと。つまりは20歳以上の男女に選挙権が与えられるようになった法律の変化。

女性が選挙権を持つという画期的な変化が実現したわけだ。しかし、それによって女性の政治参画が進んだのか?女性の社会進出が進んだのか?

ダボス会議を主催することで有名な世界経済フォーラムが、昨年発表した男女平等指数において、日本は世界142カ国のうち日本は104位。詳細をみれば、日本は「政治への参加」が129位、「職場への進出」が102位と低い状況。

日本は「議員、政府高官、企業幹部の女性比率」で112位だった。報告書は「日本は、上場企業の取締役に占める女性の比率が(調査対象国のなかで)最低」と指摘した。

出典:朝日新聞記事

とも書かれている。

つまりは参政権は女性にも与えられたが、世界的に見ても女性の社会参画・政治参画は70年たった今でも、かなり低い状況にある。

この70年間と同じ道を歩まないために、若者の参画を進めていく

さて、18歳選挙権に目を戻す。

このままだと、参政権は10代にも広がったが、若者の参画は何も進んでいない国のままになる可能性が大いにある。

でも、そうさせないように何が必要なのか、そして何ができるのか色々と考えて発信をして行きたい。

政治の若者離れを打破する活動を10年以上

1986年生まれ。岡山在住。愛媛県愛光高校、東京大学法学部卒。「学生団体ivote」創設。インターネット選挙運動解禁「OneVoiceCampaign」。NPO法人YouthCreate創設。「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに活動。大学非常勤講師や各省有識者会議委員などとして活動を広げていく。18歳選挙権を実現し、1万人以上の中高生に主権者教育授業を行う。文科省・総務省作成「政治や選挙等に関する高校生向け副教材」の執筆者でもある。2019年参議院選挙・2021年衆議院選挙に立候補し敗れる。元岡山大学非常勤講師。元グローバルシェイパー東京代表。元中野区社会福祉評議会評議員

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