正解率2割! 育ちがいい人だけが知っている、お正月の『祝い箸』の両側が細い理由
このお正月。もうお使いになりましたか? 箸袋に『寿』と記された『祝い箸』。
お雑煮やおせち料理をいただく際に、また、おめでたいお席ではこの『祝い箸』が使われますね。懐石料理のお店で出されることも多いでしょう。
さて、この『祝い箸』。
よく見ると… お箸の上側も下側も細くなっていますね! これはなぜ? どんな意味があるか、あなたは説明できますか?
正解率はわずか2割!
私のマナースクール<ライビウム>にいらっしゃる生徒さんで、この理由がお答えになれる方は20%ほど! ほとんどの方が「片方は自分が食べるところで、逆側は取り箸に使うんですよね」とおっしゃいます。なるほど、おせち料理の栗きんとんやお煮しめ、伊達巻などをお箸の上側で取り分ける… ということですね。
しかし、これはNG。れっきとしたマナー違反となります! 「大皿料理はお箸の逆で取るのがマナーですよね? 先生!」と、みなさんの前で堂々とおっしゃる方がいらっしゃいましたが、そのときは返答に困ってしまいました。どのようなお箸であっても、ご自身が食べる反対側の部分を取り箸代わりに使うのは正しいお作法とは言えません。お箸の上部分は他の方も触れるので衛生的に考えると×。そして、取り分けた後のお箸の見栄えも美しくありません。
歳神様と共にいただく
では、一体何のために両方とも細くなっているのでしょうか? 正解は…
一方は自分がいただく側。そしてもう一方は神様が召し上がるためです。新しい年を迎えた慶び、そして、食物をいただけることを感謝の思いで、歳神様*と共にありがたくいただく「神人共食(しんじんきょうしょく)」のためなのです。
お正月のよき会話ネタができましたね! このように古くから伝わる美しく豊な日本の文化。お子さまがいらっしゃるお父さまお母さまは、ぜひ伝えてあげてください。
*歳神様
元旦に高い山から降りて来られ、家々を福徳とともに訪問し、その家に幸せをもたらし一年を通して守護してくださる神様。
<参考書籍>
「『育ちがいい人』だけが知っていること」 /ダイヤモンド社
「もっと!『育ちがいい人』だけが知っていること」 /ダイヤモンド社
諏内えみ 著