以前から気になっていた人気のあのピザ屋さんに行ってみようと突然思い立ち、車を走らせました。どんなピザなのか、道中期待が膨らみます。

で、結論から言っちゃうと、想像の遥か上を行く美味しさでした。この美味しさをみんなに伝えたくて、ねぇねぇ聞いて聞いて～！って思いで書いています。

仙台の市街地から車で30分ほどの秋保(あきう)温泉。その一角に『ピザ＆カフェ 森のオーブン ドットーレ』があります。

温泉街を進み、大きな旅館が立ち並ぶ間の隙間のような路地に入ります。どこだろうとキョロキョロしながらゆっくり走る。隠れ家を探すようなこの感じがまた楽しい。まもなく左手に現れたのはテラスのある古い一軒家。ここです。

駐車場に車を置き、テラスの前を歩いて行った奥が入り口。中に入ると小部屋が４つあって、それぞれにテーブルが置いてあります。テラス席も広く人数が入れそう。

やはり人気があるので平日なのに混んでます。それでも待たされることなく案内してもらえました。
「室内とテラス席どちらがいいですか」
猛暑も落ち着き天気も良いので、もちろんテラス席にしました。

ウッドデッキのテラスがいい雰囲気です。風が気持ちいい。

周りは雑木林に囲まれていて、大きなホテル街の中にあるとは思えないほど静か。ただし、虫はいます。トンボも来ました。記録的な暑さが続いていたけど、秋は確実に近づいているようです。

メニューを見ましょう。

この他にもありますが、フードはピザのみ。うむ、ピザ屋さんなんだからそれでいい。潔い。ただし種類は豊富。その豊富なメニューの中で目に付いたのは『店主おすすめ』の文字。

それは店の名を冠した『ドットーレ』という一品。ドリンクセットで1980円。石岡鈴木牧場のモッツァレラ、セミドライトマト、バジルのピザだと書いてあります。石岡鈴木牧場で作られたこだわりのチーズのようです。ピザはチーズが命。余計な具材は要らない、シンプルイズベスト。これに決めました。ま、具沢山ピザも好きなんですけど。今回はチーズに惹かれて、これ。

メニューにこんなことが書かれていました。『ピザは焼きたてが命！ お客様同士で取り分けなさるのを前提に1枚ずつ焼き上げてお出しします』と。美味しいものをより美味しく食べてもらおうというその気遣いがいいです。ピザはチーズが命だけど、焼きたても命なんですね。

そんなことを思ってるうちにピザが焼きあがって来ました。

直径22cm、一人で食べるのにちょうどいい大きさ。耳の部分(コルニチョーネというらしい)がちょっと焦げていて、それが見た目の美味しさを演出しています。
そしてチーズの脂肪分がグツグツと浮いている。これ、こぼしたくない。

1ピースを取り分けます。生地の上にチーズが山盛りこんもり。

いくど～！あむっ！たぶん私の目、パチクリしてたと思う。うま～い！チーズたっぷりなのでチーズ食べてる感満載。クセがないのに味が濃い。思わず「何これ」って呟いてたほどです。

これが石岡鈴木牧場のモッツァレラチーズかぁ。茨城県にあるこの牧場は「良いチーズには健康な牛が必要、それには良い牧草が必要、そして良い土が必要」ってことで土づくりからやっているそう。そのこだわりが確かに美味しさに表れています。このチーズを使っているのは東北ではドットーレだけだそうです。

そしてチーズの美味しさを引き立てているのが生地。薄いのにしっとりむっちり。そして耳はサクサク香ばしい。美味しい秘密は石窯焼きにあります。窯の中でボーボーと燃え盛る薪の横に生地を置いて、強い直火で焼くのです。

キッチンでは、ワイルド系イケメン店主がピザピールと呼ばれる長いヘラで、生地を釜の中に置いてます。火が強いので、なんと約1分で焼き上がるという。最初の40秒でほぼ焼けて、その後はピザピールでくるくる回しながら万遍なく焼けるようにします。短時間なので生地の水分が乾き過ぎることなく、しっとりフワッと仕上がるのです。

やっぱりピザは生地が命です。って、命ばっかり。焼きたてのピザを頬張り、とろとろチーズを味わい、生地の食感を楽しむ。全てが命なんですね。そしてそれらを高いレベルで味わえるのがこのお店です。
次回、他のピザも食べてみたいけど、やっぱりこのチーズを食べるんだろうなぁ。ごちそう様でした。

帰り際、敷地内にある小屋にも入ってみました。ドアには『お待ちの際はこちらをご利用ください』との貼紙があります。そういうことか。入ってみるとステンドグラスがあったり椅子の背もたれに十字架が彫ってあったりしてます。

小さいながら教会だったのかな。牧師さんがいて、どんな人達が集っていたのだろう、譜面台があるので賛美歌を歌ってたんだろうなぁ、なんて思いを巡らせていれば待つ時間も気にならないかもしれません。

ドットーレで、ピザと一緒にホッと一息つける時間を味わってはいかがですか。