【下関市】街の物語を綴る城下町長府の文房具店
城下町長府には、今では貴重な存在となった文房具屋があり、古き良き時代の面影を残しています。
大手スーパーの進出により姿を消した個人経営の文房具店。町を訪れる観光客の方からも、驚きと、その存在を懐かしむ声を聴くそうです。
1926年12月に開店し、今年で創業98年目になる、岩田屋さんのご主人によると、商品の移り変わりにより、時代の変化を感じることが出来るそうです。
最近では中学に上がると高価なシャープペンシルを購入する子供たちが増えているそうです。
子どもたちは、小学校では禁止されていたシャープペンシルを、中学入学の記念に買うのだとか。
お小遣いで購入したシャープペンシルを、誇らしげに持つ子供達を見ると嬉しくなるそうです。
100円均一の使い捨てではない、長く使える相棒として選ばれたシャープペンシルで、沢山勉強して、夢を叶えて欲しいと願ってしまうのだそう。
また、以前は、社会人になった記念にと贈られていた万年筆、その需要が減少している中で、
¥1,000の万年筆に¥3,000のペン先をつけて販売するなど、メーカーが新たな取り組みを行い、¥1,000とは思えないほどの驚きの書き心地を提供してる商品があるとか。
さらに、時代の変化を象徴する出来事として、パソコンのタッチペンが小学校の指定文具になったことも挙げられていました。
また、自分には関係のないと思っていた遠い国の戦争の影響も、商品を通して肌で感じるそうです。
商品の入荷や、商品の原価が上昇する現実を目の当たりにすると、世界の出来事が、小さな商店街に住む自分にも無関係でないことを感じるそうです。
その一方で、変わらないものも。最近では敬遠され、なくなりつつあるご祝儀の習慣が、今でも続いていることを感じるそうです。
人気を集めているのが手書きのご祝儀袋。全国的に販売されているにもかかわらず、
なんと、印刷ではなく、たった4人の人によって手書きされているそうです。
よく見ると一つ一つに違いが見てとれます。ご祝儀袋に描かれている文言の1つ1つの個性と、水引のある祝儀袋よりも、感じられる気軽さが魅力だそうです。
メーカーの方のお話しによると、全国でも、城下町長府の岩田屋さんでは、よく売れているそうです。
現代社会において人とのつながりが希薄になる中で、ここ城下町長府の文房具店を通してみえるこの町は、
まだまだ、人のつながりが根付いた街と言えるのではないでしょうか。城下町を訪れた際は、小さな文房具店に足を運んでみてはいかがでしょうか。
【岩田屋文具店】
住所:〒752-0974 山口県下関市長府土居の内町6−12
電話番号:0832451040
営業日 月曜日~金曜日 9:00~18:50
土曜日 9:00~18:30
定休日 日曜日
【関連記事】
【下関市】まる龍さんの黒豚の豚骨スープを、お試しになっていない方は、いらっしゃいますか?(号外NET)
【下関市】猫派のためのパラダイスが、東駅にあった!(号外NET)
【下関市】豊浦町のたおさん。色々な意味で穴場のようです。
(号外NET)