「カリスマなのに練習は地味」同級生・上原浩治が知る松井稼頭央新監督のリアル
プロ野球が開幕し、同じ昭和50年(度)生まれの松井稼頭央氏が新監督に就任した西武は9日までの8試合を4勝4敗。首位のソフトバンクに2ゲーム差の3位スタートとなった。開幕戦はあと一死で勝利というところから逆転負けを喫したが、3戦目で、今季から先発に転向した平良海馬投手が7回1失点でプロ初先発勝利をマークし、抑えに抜擢したドラフト4位入団の新人、青山美夏人投手(亜大)が同じくプロ初セーブ。新しいポジションの2人が結果を残した。西武の投手コーチは現役時代に仲良くさせてもらっていた豊田清さん、ヘッドコーチは私と同じマネジメント会社に所属し、稼頭央にとってはPL学園高の後輩でもある平石洋介氏。チーム強化は、監督1人だけの力では難しいのではないかと思う。そういう意味で、脇を固めているコーチ陣の存在も頼もしいのではないか。
西武のチームスローガンは「走魂」。現役時代、メジャーでも通用した走塁技術を持つ稼頭央のカラーが出ていると思う。現役時代は茶髪だった稼頭央はとても目立つ選手だったが、トレーニングは対照的にとても地味というか、地道なメニューを黙々とこなす選手だった。私も稼頭央もメジャーだった時代、オフの練習場所が同じだった。近くでトレーニングを目にすると、基本をおろそかにしない姿が印象的だった。引き締まった肉体はこうして作り上げられているんだと思った。
昭和50年組ではオリックスの平井正史がプロで最初にブレークしたが、名門の大阪・PL学園高からプロに入った稼頭央も若くしてレギュラーをつかんだ。同じ大阪だったこともあり、稼頭央の名前は高校時代から知れ渡っていて、私からすれば「スーパースター」だった。メジャー、楽天と移籍したとはいえ、西武は稼頭央を将来の監督候補として現役終盤に呼び寄せたのだと思う。
オフなどに食事にいくと、一言でいえば「おもろい奴」。パ・リーグの順位予想は優勝がオリックスで2位がソフトバンク、西武は3位にしている。同級生が予想を覆してくれるなら、うれしい悲鳴をあげることになるだろう。