続・無線LANの不都合な真実!?【実践編】
先日、上記の記事を投稿し、無線LANへの過度な期待に対して不安となる要素を提示しました。一つは「必ずしも多くの人が一度に接続できない」、その結果でもあるのですが、データの伝送速度が著しく低下したり、接続が切れたりすることが有線LANと比較して少なくないのです。さらに不正アクセスの可能性が有線LANに比較して高い理由と、SSID詐欺という特有の問題についても説明しました。今回はSSID詐欺に関連する具体的な内容を説明します。
SSIDというのはアクセスポイントの識別子です。この名前でアクセスポイントを区別して、どれに繋ぐかを決定しているのです。SSIDのよくある手口は、例えば、正式なアクセスポイント名、つまりSSIDが「YAHOO-NET」だとすると、詐欺をはたらこうとする輩は、新たなアクセスポイントとして、SSIDが「YAH00-NET」のような紛らわしい名前で立ち上げるのです。現在ではスマホやタブレットを利用してのテザリングと呼ばれる機能を用いて、アクセスポイントを簡単に設定できることから容易に詐欺を行えるのです。もちろん、過去に接続したことのある正当なSSIDへ自動的に接続できるようになっている場合も多いのですが、新たに手動で設定しようとしたり、接続アプリによっては、その詐欺SSIDに接続してしまう事もあるんです。
上記の朝日新聞の記事中にあるように、単に他人の通信内容を眺めているだけであればまだしも、その中での個人情報を収集して、新たな詐欺や恐喝に使われる場合も有り得るのです。さらに、その詐欺SSIDから悪性のサイトに飛ばされて、悪質なマルウェア(コンピュータウイルス)に感染してしまう事も十分有り得るのです。
この誰でも容易に設定できるSSIDですが、思わぬ使い方が示されています。
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SSIDは任意に設定できますので、そこへメッセージを載せようというのです。現在では日本語表示も可能ですので、「立ち入り禁止」や「おこしやす(^○^)/」といったユーモラスなSSIDを設定していて笑いを誘っています。しかし笑えないような「ウイルス感染」だとか「死亡宣告」だとか不安を誘う文言が含まれる場合も有ります。
無線LANの導入には考慮、検討するべき点が少なくないことは先にも書きましたが、既存の無線LANへのアクセスには注意を要するとともに、不用意にアクセスポイントを立ち上げる事は避けるべきであり、ふざけたSSID名を付ける事はトラブルの原因にもなり、場合によっては誹謗中傷と捉えられるかも知れません。SSIDもメッセージと見なされる可能性もあるのですから。