【初心者向け】愛車でサーキットを走るにはどんな準備が必要なの?
サーキットを走ってみたい!と思っても実際はどんな準備をしていいか分からない人も多いはずです。そこで今回は数多くの走行会を主催しているTKクラブさんの協力の下、サーキットスポーツ走行に必要なクルマ、モノ、ヒトの準備について紹介していきます。
文:西川昇吾/写真:宮内洋・西川昇吾/取材協力:TKクラブ
※各種規定はサーキットや走行会によって規定が異なる場合があります。今回紹介するもの全てが絶対という訳ではありません。
クルマの準備
そもそも、「サーキットってレーシングカーとか特別なクルマじゃなきゃ走れないのでは?」という疑問もあるかもしれません。しかし、多くのクルマ好きが普段乗っている自分の愛車でサーキット走行を楽しんでいるのです。まずは、クルマに必要な最低限の準備を紹介します。
1.ブレーキ関係
まず手を付けるべきはブレーキ関係です。サーキットでスポーツ走行を行えばブレーキはかなり高温になります。そのためノーマルのブレーキでは対応できる温度域を超えてしまい、ブレーキが効かなくなる可能性があります。そのためサーキットを走る前に、ノーマルよりも高温に耐えられるスポーツパッドに交換が必要です。スポーツパッドには対応温度や適性温度が表示されていますが、全長1キロ前後のミニサーキットなら500度程度のもの、全長が長くてよりハイスピードのコースや国際格式のコースならば700度以上のものに交換しましょう。
また、ブレーキパッドだけでなくフルード交換も必要です。サーキット走行で何度もハードブレーキをするとブレーキフルードが沸騰し、ブレーキが効かなくなりとても危険です。ノーマルではDOT3という基準のものが採用されていることが多いですが、最低限より高い沸点となっているDOT4基準のものに交換しましょう。
2.オイル交換
定期的なオイル交換は通常の走行時でも必要です。ですが、サーキット走行をする場合はより固い粘度のエンジンオイルへ交換することをオススメします。これはエンジンを壊さないようにするためです。オイル粘度は取扱説明書などを確認すれば記載があるはずです。例えば5W-30という粘度が純正で指定されているのであれば、5W-40や10W-40という風に、より高粘度なオイルにしましょう。ラップタイムを求めて、予選一発のためにオイル粘度を極端に下げるという話も競技の世界ではあるみたいですが、愛車でサーキット走行をするならば「自走で行き、自走で帰る」が鉄則。無事に愛車で帰るためにも固めのエンジンオイルをオススメします。
モノの準備
続いて紹介するのが用意するべき、もしくはあると便利なアイテムたちです。
1.誓約書や運転免許証
当たり前ですが、走行会などで誓約書や運転免許証などを当日忘れてしまっては、せっかく現地についたのに走行できないなんてことになります。そんな悲しい思いをしないためにも、絶対に忘れてはいけない書類は前日の内に愛車に置いておくのをオススメします。
2.レジャーシートやブルーシート
意外と思われるかもしれませんが、まずはこれを用意しましょう。サーキットについたら愛車から荷物を降ろす必要があります。そんな時にレジャーシートやブルーシートは必ず必要になるアイテムです。サーキットでは個人の荷物を置いておく場所が地べたになってしまうことが多いので、あると便利なアイテムと言えます。また、大きめのものであれば、雨が降ってきたときに置いてある荷物をそのまま包むことができるので、より便利です。
3.エアゲージや工具類
サーキットスポーツ走行常連者は工具箱を持ち歩き、様々な工具を携行していますが、最初から全部用意する必要はありません。工具セットを購入するというのも手ですが、純正車載工具に始まり、ジャッキや十字レンチ、メガネレンチやスパナ、ソケットレンチやトルクレンチ…という風に少しずつ準備していくのもいいでしょう。
サーキット走行を終えて帰宅したら「今日は○○があると便利だったな」という感じで買い足していくのがいいかもしれません。
ヒトの準備
最後に紹介するのが人の準備。必ず必要な身につけるべき装備などを紹介していきます。
1.ヘルメットとグローブ
「初めてサーキットでスポーツ走行をする!」となり、多くの人が新たに購入する必要となるのがヘルメットとグローブです。ヘルメットは4輪用のものが用意できれば一番ですが、値段が高いので最初は2輪用のものでもいいでしょう。ヘルメットを選ぶ際は安全性の面から、フルフェイスやジェットタイプのものをオススメします。また、俗に言う半キャップタイプは安全とは言えないので、絶対にオススメしません。
グローブもレーシンググローブが用意できればベストですが、最初は滑りにくい作業用の手袋でも構いません。
2.長袖長ズボン
真夏で暑くても、スポーツ走行時は長袖長ズボンを着用しましょう。また、長袖長ズボンなら何でもOK!という訳ではなく、可能な限り綿100%のものを着用しましょう。もしも、車両火災が発生した場合、ポリエステルなどでできた衣服では、溶けた生地が肌に張り付いてしまう場合があります。
3.運転しやすい靴
これもドライビングシューズやレーシングシューズを用意するのがベストですが、まずは履きなれた運動靴やスニーカーなどでOKです。NGなのはかかとが高い靴や、靴底が厚い靴です。適正なペダル操作ができなくなってしまいます。
4.前日の十分な睡眠と健康な身体
何だかんだ言ってもこれが一番大切。
ここまで、サーキットでのスポーツ走行に必要な準備をお伝えしてきました。細かく言えばもっとたくさんあるのですが、まずは最低限必要なものをピックアップしてみました。
サーキット走行と聞くと最初のハードルを高く感じてしまいますが、最近は初心者向けの走行会などもあるので、興味のある人は是非一度味わってみてください。