据置型ゲーム機でネットをしている9歳以下の子供は17.7%、そのうち37.3%は動画も視聴している
携帯型と据置型、それぞれのインターネット利用率
最近ではスマートフォンに押されつつある雰囲気も見受けられるが、ゲームを楽しむのにはいまだ欠かせない存在に違いないゲーム機。そのゲーム機を使って、どれほどの子供達がインターネットを利用しているのだろうか。その実情を内閣府が2021年3月に発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」(※)の内容から確認する。
最初に示すのは、子供の年齢階層別におけるゲーム機を利用したインターネット利用率。ゲーム機そのものの利用率とは異なる(恐らくは少し低い)ことに注意。なお回答者がいない属性は空欄になっている。
全体では携帯ゲーム機が14.6%、据置型ゲーム機が17.7%。据置型ゲーム機の方が高い値を示している。全体で据置型ゲーム機でも2割に満たない値は低いのでは、との印象を受けるかもしれないが、0-9歳すべて合わせた値であることに加え、ゲーム機をインターネットに接続せずに遊ぶ・許可されない事例も多々あり、それらはカウントされないからに他ならない。
年齢階層別では2歳以外の全年齢階層で携帯型ゲーム機の方が値は高い。6歳あたりから利用率が伸び始めているが、これは小学校に入学するのをきっかけに、インターネットの利用を許可される事例があるからだろう。
なお前回年となる2019年では携帯ゲーム機が15.1%、据置型ゲーム機が6.4%と、据置型ゲーム機の利用率は携帯ゲーム機の半分にも満たなかった。2020年において据置型ゲーム機の利用率が大きく増加したのは、恐らく任天堂の据置型ゲーム機Nintendo Switchが急速に普及したからだろう。
ゲーム機をインターネットに接続して何をしているか
次に示すのはゲーム機でインターネットに接続をした際に、具体的に何をしているかについて。全体比ではなく、ゲーム機でインターネットに接続した人限定であることに注意。
ゲーム機でのアクセスである以上、当然ゲームを行う人がもっとも多い。ブラウザゲームなのか、ゲームソフトのインターネット接続による追加仕様なのかまでは今調査では確認ができないが、ともあれゲームをしていることに違いはない。
他方、ゲーム機によるインターネットアクセスでも、動画視聴をする人は2~3割台の人がいるのが確認できる。スマートフォンやタブレット型端末と比べれば比率は低いものの、ゲーム機を使って動画を楽しむ子供達は少なからずいる。また、その他の利用項目も少数ながら回答者がいるのを見るに、スマートフォンなどの代替として、ゲーム機を使っている子供もいるのかもしれない。
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※青少年のインターネット利用環境実態調査報告書
今件は「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」内の「低年齢層のインターネットに関する利用実情」の報告部分が該当する。同調査は2020年11月1日時点で日本全国の0歳から9歳の子供を持つ保護者を対象に、同年11月5日から12月13日にかけて行われたもので、保護者に対して子供の実情などを問う形となっている。調査標本数は3000人、有効回答数は2247人。調査方法は原則調査員による訪問配布・訪問回収法だが、訪問時間などの調整ができない場合に限り、ウェブ調査法や郵送回収法が併用されている(それぞれ300人、83人が該当)。標本抽出方法は層化二段無作為抽出法。
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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。