持家か借家か、共同住宅か一戸建てか…単身世帯の住宅スタイルをさぐる(2020年公開版)
おおよその人は何らかの形で住宅に居住し日々の生活をしているわけだが、その住宅の種類はライフスタイルにも大きな影響を与える。特に自分一人が世帯構成員となる単身世帯では、住宅は自分の城のようなプライベート空間で、とても大切な場所に他ならない。今回は総務省統計局の住宅にかかわる定点調査「住宅・土地統計調査」の公開値を基に、単身世帯における住居スタイルの実情(持家か借家か、一戸建てか共同住宅かの違い)を確認する。
今調査では全単身世帯における住宅のスタイルに関して、持家・借家、さらにそれぞれについて一戸建て・共同住宅の別に区分をしている。その公開値を基に年齢不詳者や特殊な居住様式などの少数の値を除いて計算した結果が次以降のグラフ。
まずは単身世帯の住宅が持家か借家について、世帯主=回答者=唯一の居住者の年齢階層別の実情。各年齢階層で双方の値を足せば、当然100%になる。
若年層のうちは財力が乏しく、しかも単身世帯なので配偶者や子供の観点で持家をせがまれることも無いため、必然的に持家率は低く、借家率は高い。しかし年を取るに連れて持家率は上昇し、借家率は減少。60代前半で双方の値は逆転を果たす(60~64歳では持家50.1%、借家49.9%)。
これを持家・借家それぞれについて、共同住宅・一戸建ての細分化をしたのが次のグラフ。持家は一戸建てが、借家は共同住宅がメインであることが分かる。前者は個別の建売一戸建て住宅、後者はマンションやアパートをイメージすれば容易に理解できよう。
「持家・共同住宅」「借家・一戸建て」も少数ではあるものの単身世帯の居住スタイルとして確認はできる。
大きな割合を占める「借家・共同住宅」と「持家・一戸建て」は、若年層では前者が圧倒的だが、年が上になるに連れて前者は減り後者は増え、65~69歳の層で順位が入れ替わる。定年退職後、子供達は皆家を出て、離別や死別などで配偶者も無く、一人身の高齢(65歳以上)単身世帯のうち54.5%もの人が持家の一戸建て住宅に住んでいる計算になる。
住宅の規模にもよるが、防犯をはじめとした「万が一」の際の対応が不安でならない。
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