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採用面接担当者のトレーニングはいつやるべきか〜早ければ早いほうがよいわけでもない〜

曽和利光人事コンサルティング会社 株式会社人材研究所 代表取締役社長
実際の採用活動が始まる前にしなければならないのは当然ですが・・・。(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

■面接担当者のスキルトレーニングは遅すぎず早すぎず

23卒の新卒採用も徐々に盛り上がってきています。

すでに面接担当者のトレーニングとして、例えば選考スキルを上げるためのトレーニングや、学生を口説くためのフォロートークのトレーニングをやっている企業もあると思います。遅れてしまっている企業は直前になって、慌てていらっしゃるかもしれません。

しかし、スキルトレーニングはあまり前にやっても忘れてしまう事もあるので、むしろ2月、ちょうど就職ナビ解禁直前ぐらいに面接トレーニングや、フォロートークのトレーニングをやる方がよいかもしれません。

3月4月は期末・期初で企業の事業も忙しくなると思います。ですから、ぜひこの2月のタイミングがちょうどいい時期ではないでしょうか。

■面接トレーニングは生身の学生と

面接トレーニングでお勧めなのは、生身の学生に協力してもらって、面接のすり合わせ研修を行うことです。

学生を集め、面接担当者全員で模擬面接をしていただき、自社としての評価をすり合わせせずにそれぞれが評価を付けた上で、皆でディスカッションする事によって、面接の目線合わせをしていくやり方です。

模擬面接の対象とするのは、自社が採りたいような層の学生、できれば内定者の後輩・友人で、他の会社(しかもそれが採用競合だったらなお良し)に内定をもらっている学生がよいでしょう。

こういった研修をやろうと思ったら、4月以降になるとその方々は内定している会社に入ってしまうわけですから、やはり3月末までしかできません。できれば2月中にやっておきたいところです。

そういった意味からも面接トレーニングは2月までがよいと思います。

■フォロートークトレーニングは学生とリアルに接触する前に

3月以降になると会社説明会も始まる等、学生とリアルに接触する事が多くなります。

採用に関わる皆さんは学生の前に出る時には、会社における事業や文化の説明、あるいは自社への入社動機等のフォロートークが、学生の心に刺さるレベルになっておいていただきたいところです。

フォロートークのスキルトレーニングは、学生とリアルに接触する前にやっておくべきでしょう。

具体的にどのようなスキルトレーニングを採用面接担当者に行うべきかについては、明日以降、採用担当者のトレーニングのポイント~①面接について~、採用担当者トレーニング②動機付けの力にて、要点をご説明させていただきます。

こちらもぜひ併せてご覧ください。

人事コンサルティング会社 株式会社人材研究所 代表取締役社長

愛知県豊田市生まれ、関西育ち。灘高等学校、京都大学教育学部教育心理学科。在学中は関西の大手進学塾にて数学講師。卒業後、リクルート、ライフネット生命などで採用や人事の責任者を務める。その後、人事コンサルティング会社人材研究所を設立。日系大手企業から外資系企業、メガベンチャー、老舗企業、中小・スタートアップ、官公庁等、多くの組織に向けて人事や採用についてのコンサルティングや研修、講演、執筆活動を行っている。著書に「人事と採用のセオリー」「人と組織のマネジメントバイアス」「できる人事とダメ人事の習慣」「コミュ障のための面接マニュアル」「悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?」他。

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