性暴力被害の包括的ケア「大阪SACHICO」が存続の危機 署名も #専門家のまとめ
性暴力被害に遭った人への包括的ケアを行うワンストップ支援センター「大阪SACHICO」が存続の危機にあります。
法的支援、心理サポートなど専門的なサポートを行うワンストップの必要性は近年になってようやく知られ始めましたが、運営費不足や人材確保が問題となっており、数少ない病院拠点型のワンストップである「大阪SACHICO」も、国や府からの補助金不足から、現在の拠点である阪南中央病院から移転を求められています。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
大阪SACHICOは病院拠点型ワンストップ支援センターとして全国で初めて2010年に開設され、日本でのワンストップのモデルのように考えられてきた場所です。
2023年度の不同意性交事件の認知件数は2,711件、不同意わいせつ事件は6,096件ですが、全国のワンストップへの相談数は「2021年度は58,771件、2022年度は63,091件、23年度は上半期で35,990件」です。被害に遭った際に警察へ届けることができる人は10分の1とも言われており、暗数の大きさがうかがえます。ワンストップでサポートを受けてようやく警察へ相談する気持ちになれる人もいることから、必要な施設です。
以前、取材をした被害当事者の方は「火事や交通事故のときに消防車や救急車が来なかったらどうすればいいのか途方にくれると思う。性暴力の被害者は傷だらけなのに手当てを受けられる場所がどこにもない」と、ワンストップの必要性を語っていました。
性犯罪刑法の改正など報道が増えたことで、性暴力への関心は高まりつつありますが、被害当事者への支援・サポートはまだ先進国とは言えないレベルにあります。
(存続を求める署名についての説明は以下から確認できます)
性暴力救援センター・大阪SACHICO存続のための全国署名にご協力ください!(性暴力救援センター・大阪 SACHICO の存続と発展を願う会)
※「#専門家のまとめ記事」の規定に従い、文字数調整のために内容を修正しました。(9月21日18時)