岐阜市立図書館で1万冊「本でドミノ」は名案か愚行か
僕の住む岐阜市は、7月18日に市立図書館をリニューアルオープンさせるんですね。
建築家・伊東豊雄さんの設計で、年間100万の利用者を見込んでいるとのこと。
そのオープニング企画が、なかなかネット上では物議を醸しています。
というのも、市民から1万冊の中古書籍を寄付で集め、その本で図書館でドミノしちゃおう、という企画。この「本deドミノ」は、図書館主催というわけではなく、市民有志による実行委員会主催。とはいえ、岐阜市や市教育委員会も後援した取り組みとなっています。
一方でこれに対して、本を大事にする図書館で「本を粗末に扱うのは不快だ」といった異論が出てきています。
例えばブックカフェなども運営するNPO法人ぶうめらんの北村代表理事はブログで
とコメント。
Facebookのイベントページでも、コメント欄で反対意見が出ている状況です。
出版社や著者は、こんな事に使われるために本を作ったのではないはずです。そんなこともわからない図書館は、存在意義そのものが問われますよ。
もしも、私の本があったら使わないでください。馬鹿にしないでほしい。
本はドミノに使うものではないです。岐阜市民として恥ずかしいです。
一方、世界に目を向けると各地でこうした取り組みが行われているのも事実。
以下が、その時の模様が3分ほどの動画にまとめられていて、YouTubeにアップされていました。
その後も、ベルギーやイギリスで同様の取り組みが行われていて、どんどんとギネス記録が更新されていますね。現在の世界記録は2015年1月にイギリスで樹立された5318冊とのこと。
こうして各地の取り組みを見ていると、書籍や図書館への関心を高める取り組みとして、一定の広がりも在るような気もします。
こう新聞も報じている通り、図書館の蔵書でなく各家庭の不要な図書を活かし「本や図書館」への注目を集め、そして販売代金は図書館で活用されるからこそ、有効ではないか、といった声もまた上がっています。
以下は、先ほどのフェイスブックページなどより、肯定的な意見。
本に対する想いは十人十色ですね。私は素晴らしいチャレンジだと思いますし応援しています。ぜひ成功させてほしいです!(^^)!
電子書籍にどんどん注目が集まる中、本に興味を持ってもらう話題性としてはアリなのかもと思ってます。
なお、ぎふメディアコスモス 吉成信夫 図書館長はこのイベントに寄せて、以下の応援メッセージを寄せています。
「私も非常にワクワクしています。新たな図書館は楽しい図書館にしたい。いままではただ静かに、本の貸し借りをするだけの図書館だったが、人と人が出会ったり何かが始まったり、会話が生まれたり、なにかイベントが生まれたり、そういう図書館にしたい。市民の皆さんが会館前にこうして盛り上げてくれるのは、私も職員にとっても嬉しい話。このイベントを成功させて一緒に楽しく開館を迎えたい」(筆者の要約)
賛否両論がある中ですが、賛否いずれも共通するのは「本や図書館」への注目が集まることが大事だ、という姿勢。
問題は、結局本を粗末にしているのではないか、という感情を抱くヒトもまた少ないということでしょう。
とすると、まぁ、本deドミノしなくても他に注目度を高める打ち手がないもんでしょうか。
あ、もしや、そのための炎上マーケティングだとしたら、一本取られました。
僕も片棒担いでる…いや、
本や図書館への注目集めに貢献した、ということでしょうか。。
ではでは。