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北海道で記録的な豪雨 東北・関東~近畿でも突発的な豪雨や突風に要警戒

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雨の予測。左:11日昼、右:11日夕。黄や赤の周辺は雨量が多くなる恐れがある所。

北海道の石狩地方や胆振地方などで、1時間に100ミリ前後の記録的な豪雨となっています。11日は北海道だけでなく、本州各地でも突発的な豪雨が起こる恐れがあります。

なぜ北海道で豪雨となったのか

豪雨をもたらすのは積乱雲です。数多く発生し停滞すると、危険な降り方になります。

現在、上空にはシベリア方面から、季節を一歩先行くような寒気が南下してきています。

一方で、地上付近は、初秋の空気。まだ夏の名残があり、大量の水蒸気をかかえています。

これらがぶつかり、空気が大きく上下にかき混ざる際の上昇気流で、水蒸気が持ち上げられ、積乱雲が次々に発生します。

今回は、上空の寒気の動きが遅く、石狩地方や胆振地方など、同じ所で次々と積乱雲が生まれ豪雨を降らせました。

秋も豪雨は起こりやすい

空気が大きくかきまざることで、季節を先行く寒気が地上にも浸透し、また季節が一歩前へ進みます。今回の豪雨は、北からの寒気が、季節をやや強引に前に進めようとした結果、発生してしまったと言えます。

こういった条件がそろう秋は、まだまだ豪雨が起こりやすい季節です。

本州でも突発的な豪雨や落雷、突風の恐れ

上空の寒気は、ゆっくりと東へ、南へ広がります。

北海道の大雨が降りやすい地域は、徐々に日高地方や道東へ移り、東北~関東~近畿も11日は、活発な積乱雲が発生しやすい状況です。

このような積乱雲の下で起こる狭い範囲の豪雨や落雷、突風は、前々から「どこで」を絞りこむのは困難です。何も起こらない所も多いでしょう。

一方で、上記の地域は、今日が「危険な気象状況の日」というのは分かっています。できれば、1~2時間に一回でも、雨雲レーダーや落雷状況を確認し、危険が迫っている場合に少しでも早く動ける意識を持っていただければと思います。

雨雲ズームレーダー

全国の落雷状況(現在)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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