2025年NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」は江戸のメディア王・蔦屋重三郎の波瀾万丈の生涯をえがいたドラマです。人気俳優横浜流星さんが主人公蔦屋重三郎を演じ、舞台は吉原です。大変、注目されているドラマです。

第1話では亡くなった遊女朝顔が浄閑寺に埋められる場面がありました。浄閑寺は荒川区南千住にあります。令和の浄閑寺はどのようなお寺でしょうか。

山門の左側には小夜衣供養地蔵尊があります。「悪い部分をなでると良くなる」という言い伝えがあります。小夜衣についてはこの様な話があります。

四つ目屋善蔵のお抱え遊女、小夜衣は女主人に放火の罪をきせられ火あぶりの刑になります。ところが法事のたびに廓内から火が出て四つ目屋はいつも全焼し、ついに潰れてしまいます。その後、廓内の人々が集まって霊を慰める仏事を行ってからは年忌ごとの火事はなくなったそうです。浄閑寺の遊女にまつわる悲しい話の一つです。

荒川区教育委員会による浄閑寺の説明があります。名もなき遊女やその子ども達が眠る浄閑寺には悲しいイメージがあります。

霊廟をくぐるとたくさんの墓があります。

浄閑寺にある史蹟が書かれています。今回は遊女の墓のみを紹介します。

霊廟の門のすぐに近くに角海老楼の遊女、若紫の墓があります。若紫は後5日で年季があけ恋人と結婚出来る予定でしたが、店に来た客に突然切り付けられ亡くなってしまいました。遊女の身分のままでなくなったので浄閑寺に埋葬されました。悲運としか言えないですね。現在も美しい花が供えられていました。

筆者が浄閑寺を訪れたのは2025年1月4日です。お正月なので檀家の方々がお墓参りに来ていました。そのため花が飾られている墓が多く、暗い印象はなかったです。浄閑寺は歴史的な寺ですが、地元の人々にとっては身近な寺でもあります。

こちらは名もなき多くの遊女が葬られ供養された新吉原総霊塔です。新吉原総霊塔も花を手向ける人が多いようです。花の美しさが遊女達を連想させるようです。

新吉原総霊塔の後ろ側です。大きな墓であることからわかります。この中には幾多の遊女達の骨壺があります。

「生まれては苦界　死しては浄閑寺　花酔」と書かれています。華やかに見える遊女達の悲しい運命を表しています。生まれ故郷ではなく浄閑寺に眠ることになった遊女達。浄閑寺は静かに彼女達を守っています。

「江戸のメディア王」と言われる蔦屋重三郎はどのような人物でしょうか。荒川区生涯学習センター区民カレッジは講演会「蔦屋重三郎の生涯に学ぶ」を開催します。

ー２025年大河ドラマ「べらぼう」の主人公・江戸の名プロデューサー
蔦屋重三郎の生涯に学ぶー

日時　２025年2月22日（土）14時～16時

場所　ゆいの森あらかわ・ゆいの森ホール

講師　山村竜也

対象　区内在住・在勤・在学の18歳以上の方

定員　120名（抽選）

受講料　無料

講演会の詳細・申し込み方法は荒川区公式サイトをご覧ください。

荒川区公式サイト・区民カレッジ講演会蔦屋重三郎の生涯に学ぶ

講師の山村竜也さんは歴史作家、時代考証家です。「べらぼう」の時代考証を担当しています。解説を聞けば、ドラマをさらに楽しく見られるでしょう。申し込み締め切りは2月3日、抽選結果は郵送です。興味ある方はぜひ申し込みしてくださいね。

山村竜也X

【寺社情報】
浄閑寺
住所　東京都荒川区南千住2-1-12

【講演会場情報】
ゆいの森あらかわ（ゆいの森ホール）
住所　東京都荒川区荒川2-50-1
電話番号　03-3891-4349