日本ワインの現在地〜東北・北陸編〜
山形県は言わずと知れたフルーツの一大産地。
それは気候や土壌など恵まれた条件があり、さくらんぼの国内シェアはダントツで、スイカや柿などもトップクラスの生産量を誇ってます。
葡萄の生産量は国内4位。
ワイン醸造も明治中期から始まり大手メーカーが進出するなど活況を呈しましたが、その後一時衰退。
現在ワイナリーの数は17軒と多くはないですが、上山市と南陽市が『かみやまワイン特区』と『ぶどうの里なんよう』に指定され、ワイン造りが盛り上がりを見せています。
山形県 グレープリパブリック
グレープリパブリックは南陽市にあるナチュラルワインを造るワイナリーで南陽市で造られた葡萄のみを使用します。
醸造施設に特徴があり、スペインから直輸入したアンフォラという陶器の醸造瓶を使用します。
アンフォラとは陶器の器の一種で、ワインをはじめとした様々な液体や物品を運ぶために用いられた素焼きの容器の総称で、紀元前15世紀ごろのレバノンからシリアの海岸に現れて古代世界に広まり、古代ギリシャ・ローマにおいては、ワインやオリーブ・オイル、その他の必需品を運搬・保存するための手段として用いられていました。
特におすすめしたいのが、グレープリパブリックのオレンジワイン”Arancione / アランチョーネ”
このアランチョーネはデラウェア主体にスチューベンを混醸しアンフォラとステンレスタンクを半々くらい使用して熟成させます。
イチゴのシロップような甘い香りにベリーの甘酸っぱい口当たり。
果実のジューシーさを感じられるフレッシュなワインです。
エチケットもカラフルでカワイイですよ。
日本を代表する葡萄品種の生みの親
新潟県といえば日本有数の米どころ。
日本酒の酒造数はナンバーワンです。
一方でワイン造りはというと生産量6位。
日本全体から見るとわずか3%にすぎません。
しかしながら新潟県内で初めてワイナリーを立ち上げた川上善兵衛は『岩の原葡萄園』を開き葡萄の交配育種に力を注ぎ、日本を代表する葡萄品種マスカットベーリーAを生み出しました。
その他にもブラッククイーンやレッドミルレンニュームなど独自のワイン用葡萄を開発し、日本ワインを語る上で欠かせない存在となっています。
近年は2004年以降の日本ワインブームも手伝ってワイナリー設立が活性化し、生産者たちが『新潟ワインコースト』と称し盛り上がりを見せてます。
新潟県 胎内高原ワイナリー
新潟と言えば岩の原葡萄園のマスカットベーリーAを推したいところですが、ここは敢えて胎内高原ワイナリーのヴァンペティアンをオススメします。
胎内高原ワイナリーは胎内市が2007年から運営してますが、日本ワインコンクールで金賞を受賞するなど評価をあげているワイナリーです。
ヴァンペティアンは無肥料、無化学肥料の自家栽培葡萄のシャルドネとソーヴィニオンブランを使用し、仕込みから瓶詰めまで亜硫酸塩を使わずに仕上げた発泡性白ワインです。
青リンゴなどの柑橘の香りですっきり辛口。
穏やかな酸をお楽しみください。
日本ワインの良い点は、実際ワイン造りをしてる場所に行きやすいところ。
葡萄が栽培されてる土地に足を運んで、見て聞いて。
時期によっては収穫のお手伝いをさせてもらえることも。
その土地に行って地元の食材などと一緒に飲むワインは最高に美味しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。