「スマホの電源はずっと入れっぱなし」アメリカでは82%
携帯電話、特にスマートフォンは常に他人、周辺世界とのつながりを維持するツールとして認識され、手元に無い、電源がオフの状態を嫌う人が少なくない。携帯電話文化の先進国である米国でも認識は同じようなものなのだろうか。そこで同国の民間調査会社Pew Research Centerが2015年8月に発表した、携帯電話と人々の日常生活の様相を調査した結果報告書「Americans’ Views on Mobile Etiquette」から、米国の携帯電話の電源オフ事情を確認していく。
次に示すのは携帯電話(従来型、スマートフォンを問わず)保有者において、自分の携帯電話の電源を何らかの理由で切る、オフにすることがあるか、ある場合はその頻度について尋ねたもの。オフにする理由は尋ねておらず、またいわゆるマナーモードなどは該当しない。例えば就寝時に安眠したい時、何らかの事情で携帯電話に出ることがはばかられる時、対応に疲れてしばらく「自分は居ない、対応できない」状態にしたい時などが想定できる。
全体では7%が良くある、17%が時々ある、合わせて24%が日頃から行う場合が少なくないとする派。45%はあまり無い、31%はまったくないで76%が否定派。
ところが世代別に見ると、若年層ほど電源を切る機会は少なく、高齢層ほど多い形を示している。例えば30歳未満は良くある派は3%に過ぎず、否定派は83%。だが65歳以上になると良くある派が17%、肯定派は4割を超え、否定派は6割に届かない。
これは所有している携帯電話の種類にも寄る所がある。
若年層ほどスマートフォンの所有率が高いために電源を切る傾向があまり無く、高齢層ほど従来型の所有率が高いため普段から電源を切ることが少なくない次第である。
なぜスマートフォン利用者ほど電源をオフにすることが少ないのか。理由に関して報告書では説明が無い。もっとも実利用状況を思い返せば、従来型携帯電話よりもスマートフォンの方ができることは多く、熱中しやすい、長時間注力してしまうコンテンツ・サービスも多い。また頻度の高い利用を要求されやすいこことから、電源をオフにすることがはばかられることは容易に想像できる。ソーシャルメディアに夢中となり、それこそ数分おきに新規書き込みを確認したくなるのが好例である。
実際、電源のオフ以外でも、持ち歩く頻度の上でもスマートフォンは従来型携帯電話よりも上。
スマートフォン所有者(利用者)の方が、普段から持ち歩く人は多い。語弊があるかもしれないが、いわゆる「病み付き度」はスマートフォンの方が上であり、この傾向は日本だけでなくアメリカでも変わらない実態の表れといえよう。
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