Yahoo!ニュース

冷凍食品を利用する状況と買う場所の実情をさぐる

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
陳列棚に並ぶ冷凍食品。どのような場所で冷凍食品は購入されるのか(筆者撮影)

多様な種類が販売され、多くの人には食生活の上で欠かせない存在となりつつある冷凍食品。人々はどのような場面で冷凍食品を利用しようと考えるのだろうか、そしてそれはどこで購入するのだろうか。マルハニチロが2021年10月に発表した「冷凍食品に関する調査2021」(※)から、その実情を確認する。

次に示すのは冷凍食品を利用するときの場面を複数回答で答えてもらった結果。6割近くの56.3%の人が、冷凍食品は簡単に食事を済ませたい時に利用すると答えている。

↑ どのようなときに冷凍食品を利用しているか(複数回答)(2021年)
↑ どのようなときに冷凍食品を利用しているか(複数回答)(2021年)

冷凍食品ならば袋から中身を取り出し、場合によってはふたを開ける必要があるものの、基本はそのまま電子レンジに入れて所定の時間加熱するだけで完成する(あるいは料理の食材として仕上がる)。中には容器が食器を兼ねており、別途食器を用意する必要すらないものもある。簡単に食事を済ませたい時には、大いに頼りになる存在に違いない。

次いで多いのは、おかずが足りない時で、48.3%。単におかずが足りないだけなら別途調理すればよいまでの話なので、食材や時間が足りないのが前提にあるのだろう。あるいは食卓に調理したおかずを並べ、初めて物足りなさに気が付くのかもしれない。

第3位の料理する時間がないは、トップの簡単に食事を済ませたいと類似性を持つと考えてもよいだろう。これに続く料理する気力がないもトップのと似た部分があるものの、どらちかといえば疲れや体調不良などでモチベーションが高まらない時に、冷凍食品が重宝されると見ることができる。短時間で自分の手間をかけずに美味しい料理が準備できるのなら、疲れなどで気力がなくても食事を摂ることはできよう(食事を摂る気力があればだが)。

食材をストックしておきたいや自分で作れない料理を食べたいという回答は、冷凍食品の特性を活かしたポイントといえる。ストックには相応の大きさの冷凍庫が必要になるが。

それでは色々な場面で重宝される冷凍食品を、どのような場所で購入しているのか。9割近くの人はスーパーだと回答している。

↑ 普段、冷凍食品を購入する場所(複数回答、上位陣)(2021年)
↑ 普段、冷凍食品を購入する場所(複数回答、上位陣)(2021年)

食品を取り扱うスーパーのほとんどでは、大きな面積を確保して冷凍食品用の大型ケースを用意したり壁埋め込み型の保冷棚を用意し、多様な冷凍食品を陳列している。それこそ毎日のように新商品が登場する冷凍食品のラインアップを、見ているだけでも楽しくなってくる人もいるのではないだろうか。

次いで多いのはドラッグストアで28.9%。スーパーほどではないが大きな保冷棚を用意する場所も増えている。薬を購入する際に、併せて冷凍食品も調達するというパターンも少なからずあるのだろう。

コンビニもドラッグストア同様に、ついで買いをした人も多いはず。特にコンビニではチェーン店毎に違ったプライベートブランドの冷凍食品が多数用意されており、その違いを楽しむ人もいるに違いない。

宅配生協やインターネット通販、ネットスーパーなど通販系のお店を使う人もいるが、まだそれぞれで1割にも満たない。やはり実物を手に取って確かめた上で購入したいのかもしれない。あるいは実店舗での購入が人気なのは、大幅な値引き販売がよくあるからなのだろうか。

■関連記事:

【冷凍食品への改善希望、最上位は「食の安全を高めてほしい」】

【習慣的に中食をしている人はほぼ8割・よく使っているものは冷凍食品(最新)】

※冷凍食品に関する調査2021

2021年9月14日から15日にかけて20~59歳の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は予備調査(全体)が1466人・本調査(月1日以上冷凍食品を利用する人)が1000人。男女比、10歳区切りの年齢階層別でそれぞれ均等割り当て。過去の調査もほぼ同じ条件で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事