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タイガー・ウッズ、テーラーメイドと用具契約は緻密な戦略!

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
ブリヂストンとのボール契約に続き、テーラーメイドとの用具契約を結んだウッズ(写真:Splash/アフロ)

タイガー・ウッズがテーラーメイドと用具契約。そんな驚きの発表にゴルフ界が賑わっている。

今週、カリフォルニア州サンディエゴのトーリー・パインズで開催されるファーマーズ・インシュアランス・オープンで1年5か月ぶりに公式戦に復帰するウッズ。

開幕前の水曜日(現地25日)はプロアマ戦をプレーした後に久しぶりの会見という流れだが、それに先行する形で、ウッズがテーラーメイドと用具契約を結んだことが明かされた。

「数か月間、あらゆるブランドを試した結果、選択すべき答えは明解だった。テーラーメイド・ファミリーの一員に加わったことを誇りに思う」

ウッズ自身がツイッターでそう明かした一方で、テーラーメイドもウッズと正式契約を交わしたことを発表。

金額などの詳細は明かされていないが、契約は複数年。ウッズは今後、同社のウッド、アイアン、ウエッジをバッグに入れることになる。

ウッズは2000年にナイキと契約を結んでからは、ナイキのクラブとボールを使用する看板選手となってきた。

だが、ナイキが昨夏にゴルフ用具市場からの撤退を決めたため、以後はウッズ自身が今後使用していくクラブとボールを模索する事態になった。

昨冬に自身が大会ホストを務めるヒーロー・ワールド・チャレンジ(非公式戦)に出場した際は、ブリヂストンのボールを使用し、ウッドはテーラーメイド、アイアンは従来のナイキを使用した。

だが、「自分に最適なボールを見つけることが何より大事」と語ったウッズは、大会直後の12月半ばに、まずブリヂストンとボール契約を結び、「このボールに合うクラブを探していきたい」と、まずボールありきの姿勢を示していた。

そんなウッズが今週のファーマーズ・インシュアランス・オープンをどこのメーカーのクラブで戦うかに大きな注目が集まっていたのだが、それがテーラーメイドとなり、しかも単にバッグに入れるだけではなく、開幕直前に契約締結、そして公式発表というスピード展開。

「金額で決めるなら決断は簡単だった。パフォーマンスで決めたからこそ、答えはテーラーメイドになった」

ウッズはそう言っている。「パフォーマンス」とは、すでに契約を結んでいるブリヂストンのボールとの相性が最もいいクラブという意味だと解釈できる。

だが、ビジネスの観点から第三者的に眺めれば、すべてはウッズを効果的にマネジメントするために新たに創設された新ブランド、TGRによって緻密に練り上げられた戦略なのだと頷けてくる。

今週のプロアマ戦は契約発表の数時間前にティオフしたせいか、バッグの中のアイアンは、まだナイキのアイアン。だが、大会初日からはバッグの中身がテーラーメイドに変わる。

そして、ウッズが誇る「パフォーマンス」にさらなる注目が集まる。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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