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竹島そのものの認知度は93.8%

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 韓国の不法占拠・支配が続く竹島。日本における認知度は(写真:Fujifotos/アフロ)

内閣府は2017年10月、竹島に関する世論調査(※)の結果概要を発表した。その公開資料から現状の竹島に関する認知度などを確認する。

竹島は島根県に属し、隠岐島の北西約157キロ、北緯37度14分・東経131度52分に位置する、男島・女島から構成される島。戦後発効したサンフランシスコ講和条約で国際的に日本領帰属として確定したが、その直前に韓国が独自かつ一方的に海洋主権宣言(李承晩ライン宣言)を行い竹島の領有を主張、同島を自国領海に取り込み、以後同国が武力によって不法占拠・支配を継続しており、日本の施政権行使がさまたげられる状態が続いている。

↑ 竹島の位置(島根県公式サイト・Web竹島問題研究所から)
↑ 竹島の位置(島根県公式サイト・Web竹島問題研究所から)

今回発表された調査結果の内容によれば、「竹島」そのものの認知度は高く、調査対象母集団全体の93.8%が知っていると答えた。知らなかった人は4.8%に留まっている。

↑ 「竹島」という島の存在を知っているか
↑ 「竹島」という島の存在を知っているか

島そのもの、存在についての認知度は高い。直近年では前回調査より値がやや落ちているが、誤差の範囲。

一方、竹島に関する諸問題への認知度はそれほど高くないことが、今回の調査で明らかにされている。次に示すのは竹島を知っている人に限定し、具体的な諸問題の認知度を尋ねたものだが、多くて7割強に留まっている。

↑ 竹島に関して知っていたこと(竹島そのものを知っていた人限定、複数回答)
↑ 竹島に関して知っていたこと(竹島そのものを知っていた人限定、複数回答)

示された選択肢の中でもっとも認知度が高かったのは「竹島は(歴史的にも国際法上も明らかに)我が国固有の領土である」で78.7%。前回調査から1.7%ポイントの増加を示している。2013年調査分と比べて2014年調査分以降は大きな増加を示しているが、2013年調査では「竹島は歴史的にも国際法上も明らかに我が国固有の領土である」と詳しい説明がなされていたのに対し、2014年調査以降は単に「竹島は我が国固有の領土である」とのみ尋ねている。つまり「歴史的」「国際法上」との言葉が判断を鈍らせたとも解釈できる。シンプルで分かりやすい説明の方が、認識はされやすいのかもしれない。

「竹島には現在も韓国が警備隊員などを常駐させるなどして不法占拠を続けている」は63.1%。前回調査とほとんど変わりない。今件は竹島そのものを知っている人に限定しているので、調査対象母集団全体では63.1%×93.8%で59.2%となる。

報道のされ方も問題の一つではあるが、「我が国は韓国側が竹島に関する何らかの措置を行う度に、韓国に対して抗議している」は59.5%と6割足らずの認識。また、地理的・歴史的背景などを知っている人も認知度そのものと比べれば多いとは言えない。

今件問題については今まで以上に多種多様な方面から、積極的な啓蒙活動と周知への努力が求められよう。

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※竹島に関する世論調査

2017年7月13日から23日にかけて、全国18歳以上の日本国籍を有する人3000人に対し、調査員による個別面接聴取方式によって行われたもので、有効回答数は1790人。前回(2014年実施)までの調査では20歳以上を対象としていたのに対し、今調査からは18歳以上を対象としているため、2014年分までと2017年分以降との間に厳密な連続性はないことに注意が必要。

(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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