梶谷翼、オーガスタ・ナショナル女子アマチュア優勝は日本人初、アジア人初の快挙
日本の女子アマチュア選手が世界で快挙を成し遂げた。
「ツバサ、おめでとう。あなたはこの大会で初めての日本人チャンピオンになりました」
優勝会見で高らかに、そう讃えられたのは、オーガスタ・ナショナル(米ジョージア州オーガスタ)で開催されたオーガスタ・ナショナル女子アマチュアで見事、勝利した日本の梶谷翼だ。プレーオフを制して、見事、勝利し、優勝トロフィーを掲げた梶谷の姿は、すでに米国から世界へと大きく発信されている。
3日間大会の最終日となった4月3日の土曜日、大混戦を抜け出した日本の梶谷と米国のエミリア・ミグリアシオはプレーオフに突入。1ホール目の18番でミグリアシオの第2打はグリーン右のバンカーにつかまり、パーを拾うことができなかった。一方、梶谷はしっかり2パットでパーを拾い、勝利を手に入れた。
最終日の朝は気温が一気に低下し、霜が降りてスタート時間が1時間遅くなるほどの寒さに見舞われた。激しい気候の変化に対応し、さらに「最終日のグリーンはとても固くなっていた」と他選手たちがコースの変化にも苦しんだ中、梶谷はステディなプレーで勝利を手に入れた。
「優勝したかった大会の1つなので、夢が実現して嬉しいですし、ランキングが上がるので、全米(女子)オープンなどに出場できる権利が来るかもしれないですし、そういう次へのステップになるのが嬉しいです」
オーガスタ・ナショナル・女子アマチュアは、男子ゴルフのメジャー大会、「ゴルフの祭典」マスターズに先駆けて、オーガスタ・ナショナルで開催される3日間の女子アマチュアたちのゴルフの祭典だ。
全米女子アマ、全英女子アマ、アジア・パシフィック女子アマといった世界の女子アマチュアのビッグ大会優勝者、あるいは米国や世界のアマチュアランキングのトップ30などに出場資格が与えられ、最終ラウンドの舞台はオーガスタと来れば、まさにこの大会は“女子アマチュアのマスターズ”と呼んでも過言ではない。
2019年に創設されたばかりで、その第1回大会には、ナンシー・ロペスやアニカ・ソレンスタムといった女子ゴルフ界のレジェンドたちがオーガスタ・ナショナルに勢揃いし、華やかに開催された。第1回大会を制したのは米国のジェニファー・クプチョ、日本の安田祐香、そして笹生優花が見事3位タイになった。
しかし、昨年はコロナ禍で中止となってしまったが、今年はマスターズに先駆けての開催が叶った。
優勝した梶谷は大会史上初の日本人チャンピオン、そして初のアジア人チャンピオンとなり、その名はオーガスタ・ナショナルに刻まれる。
「それは、あんまり考えてなかったけど、アジア人で初というのは、うれしいですね」
「憧れのオーガスタでプレーできる機会を下さって、うれしいです。本当にオーガスタは憧れの場所です」
プロゴルフの世界でメジャー・チャンピオンに輝いた渋野日向子に続き、梶谷はアマチュア・ゴルフの世界で日本人チャンピオンになった。
日本のゴルフ界にとって、いやいや、日本にとって、アジアにとって、とても嬉しいビッグニュースだ。