盗まれていませんか、あなたの個人情報、そしてマイナンバーは?
知らない間に自分のIDとパスワードが盗まれてしまう。そして、ある日、そのIDとパスワードが使われて結果的に金品を盗まれてしまうということが頻発しています。いわゆるパスワードリスト攻撃と言うものです。金品のやり取りがなく、重要でもないサイトが管理の不行き届きからIDとパスワードが漏えいし(実際には盗まれ)、それと同じIDとパスワードを使って、通販サイトなどで金品を盗み取るのです。すべて同じパスワードを設定している事から起こる犯罪です。
パスワードとIDは何と言ってもコンピュータやネットワークのセキュリティの要です。今では二要素認証と言って、IDやパスワードだけでなく、それ以外の方法、例えば個人が所有するスマホを使ったり、トークンと呼ばれるワンタイムパスワードを表示する機械や予め配布された乱数表を利用する等、2つ以上の方式を組み合わせる方式が主流になっています。とはいえ、やはりパスワードとIDは第一要素なのです。そのパスワードとIDですが、パスワードを秘匿する事は当然ですが、IDに関しても安易に公開するものでは有りません。IDにはいろいろな情報が含まれているからです。IDは個人を特定する為の符号であり、IDの漏えいによって、その特定された個人の情報がすべて暴かれるわけではありませんが、少なくとも一つ以上のサービスや組織に所属している事がわかります。IDが漏えいしたからといって、一般には大きな被害が及ぶ事は考えられません。それでも個人情報の一つである事には間違いなく、他の情報、特にパスワードと合わされば、被害を被る可能性が出てくるのです。以前に、
として、「占い」等のサービスの問題を取り上げました。占いでは、あまり意識する事なく、名前や生年月日を入力することもあり、それ以上の個人情報、つまり個人が抱えている問題等を入力してしまうことです。様々な質問に応えて、年齢や性格を当てるサービス(サイト)や、顔写真を登録して、写真から推定される年齢や似ている著名人を紹介するサービス等も同様です。意識しない間に個人に関する情報を提供している事になります。さらに懸賞に応募することはその最たるものです。一般には氏名や住所まで相手に伝え、懸賞に直接関係のない、生年月日や性別、職業まで教える事もあります。懸賞の主催者側の目的は、大なり小なり明らかに個人情報の収集なのです。
そしてマイナンバー制度の登場です。現在、マイナンバー制度について過度に反応している人が多いようですが、一般の人にとって、マイナンバー自体は大きな影響を与えるものでは有りません。確かに重要な個人情報であることは間違い有りませんが、それだけが漏れたからといって、個人のすべての情報が芋づる式に漏えいしていくものではないのです。政府がその取り扱いについて厳格に行っている理由は個々のマイナンバー自体が重要な意味を持つためではなく、マイナンバー制度全体について厳格に運用して行く必要性から、その枝葉末節について慎重になっているだけです。
その個々のマイナンバーですが、個人個人がその取り扱いについて注意を払わず、ぞんざいに扱えば蟻の一穴のごとく、マイナンバー制度自体が崩れ落ちるやもしれません。それゆえ、個々のマイナンバーについても注意深く扱う事を求めているのです。それに反するように
のような事態も起こっています。店側は悪意がなく、単に話題に便乗しただけかも知れませんが、ぞんざいに扱う事に通じ、マイナンバーの一部公表につながってしまいます。さらに悪意を持って次のようなことも起こっているのです。
一人一人の個人に取って、マイナンバー自体の扱いについて過剰に神経質になる必要はありません。しかし、氏名、生年月日、住所、電話番号と同様にマイナンバーについても新たな個人情報として注意深く扱わなければならないということです。