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元宝塚歌劇団娘役トップ・愛加あゆ、女優転身を支えるのはタカラヅカ時代の“禁断の食べ物”

中西正男芸能記者
元宝塚歌劇団娘役トップ・愛加あゆ

元宝塚歌劇団雪組娘役トップ・愛加(まなか)あゆさん(27)。昨年8月にタカラヅカを退団し、今回MBS・TBS系「シメシ」(MBS系は21日スタート、日曜・深夜0時50分、TBS系は23日スタート、火曜・深夜1時11分)で連続ドラマに初めてレギュラー出演します。タカラヅカでは娘役として頂点を極めたものの、映像の世界では「何一つ分からなくて、迷惑をかけないことだけを考えるのに必死」と戸惑いの連続。その中でも「大変さを上回る楽しさを感じています」と前向きな日々を送っていますが、その原動力となっているのはタカラヅカ時代には明かさなかった“禁断の食べ物”でした。

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退団してまだ1年も経ってないんですけど、とにかく毎日が新鮮かつ濃厚で(笑)。

タカラヅカにいた時は、とにかくアタマの中はタカラヅカ一色でした。毎回、同じメンバーで同じレールの上をひたすら走っていく。また、その一体感があるからこそ、できる舞台でもあったと思うんです。それが、外に出てみると、当然なんですけど、毎日会う人も、仕事の内容も全然違う。

毎日会ったことのない人にお会いして、やったことないお仕事をさせていただく。もちろん大変という部分もありますけど、それ以上に、楽しさを感じています。

よくタカラヅカを退団された男役さんが「男役から女性に戻るのが大変」ということをおっしゃるんですけど、タカラヅカの娘役からいわゆる普通の女性に戻るというのも、実はいろいろありまして…。

やっぱり娘役は独特の世界観みたいなものもあり、また、私はそういうものを楽しんでいた部分もあったので、要は、普段着るお洋服も、やたらとレースが入っていたり(笑)、パステル系の色が多かったり(笑)、可憐で愛らしくてという「THE娘役!!」みたいなものが多かったんです。ただ、退団後もずっとそれというのもそぐわないかと思いまして、今までの洋服はほとんどタカラヅカの後輩にあげました。

ホント、細かいことで申し訳ないんですけど、まず退団してパンツ(ズボン)をはいたのがとにかく新鮮で!!ただ、娘役の時は常にスカートだったので、いざパンツをはいても、何をどう合わせたらいいのかが分からなくて…。思わぬところで戸惑いを感じたりもしていました。

あと、これも当たり前と言えば当たり前なんですけど、今までは共演する人の中に男の人がいなかったんですけど、今は男の人がいらっしゃる。タカラヅカでも、男役さんを本当の男性だと思って、感じて、お芝居をしていたので、普通にお芝居をしている時はほぼ違和感はなかったんです。でも、退団後に初めてさせていただいた舞台で男性と踊らせてもらった時に、片手でヒョイと持ち上げられた時には「うわ、男性だ!!」と何ともシンプルな驚き方をしました(笑)。

それと、表情一つとっても、舞台の表情と映像の表情は違うんだなと。舞台では劇場の一番後ろのお客さまにまで感情が届くように表情を作る稽古をするわけですけど、映像でそれをやると大げさになるんです。リアリティーがなくなるというか。だから、ドラマのお仕事をさせてもらうようになって、スタッフさんからは「伝えようとしないで」というアドバイスをいただきました。今までやってきたトレーニングの逆というか、同じ演じるということでも全然違うんだということを日々学んでいます。

今回のドラマの撮影は5月末から1週間くらいでギュッと凝縮して行われたんですけど、その期間は朝から晩までびっしり撮影という感じでした。

初めてレギュラー出演する連続ドラマ。前回「カサネ」(テレビ東京系)というドラマに単発のゲスト出演という形で1回出させてはいただいたんですけど、その時は、とにかく周りの方にご迷惑をおかけしないように過ごすのに必死でした。今回はその時より、少しは分かるものの、連続となると、しかも、ギュッと撮っているので、ふと「あれ、今、何話のどこの話だったっけ?」と思うこともありまして(笑)。全4話なんですけどね…。それでも、なんともこんがらがってました(笑)。

いろいろな方々とご一緒させてもらっているのも、まさに勉強をさせてもらっています。主演の村上淳さんはとにかくオーラがすごいんです!!雰囲気が違う。「オーラがある」とよく言いますけど、村上さんの場合は本当にあるんです(笑)。そのことを目の当たりにしただけでも、大きな経験でした。

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それと、今回はレストランを舞台にした物語なので、毎回食べ物が出てくるんです。ただ、私はそのレストランのオーナー役なので、料理をお出しするものの、食べるわけではない。とても、とても、おいしそうな料理を前に、それを見てるだけというのも、実につらかったですね(笑)。

…えっ?食べることですか?ごめんなさい、正直、…大好きです(笑)。

一番好きなもの?そうですねぇ、これ、タカラヅカの時はプロフィールに書かないようにしていたんですけど、ホントのホントの話、カレーです。カレーと書くと、バーッとがっついている感じが出るかなと思って(笑)。家庭的なものの、インド料理などの本格的なものも、洋風なものも、創作的なものも、どんなジャンルでも好きです。

タカラヅカ、しかも、娘役となると、やっぱり“いちご”とか、いかにもかわいらしいものを書いた方がいいのかなと思っていたので伏せてたんですけど、ホントに、ホントに好きで。退団した今だからこそ言えますけど、ずっと好きでした。カレーのことなんですけど、なんか、ロマンティックに聞こえます?(笑)

■愛加あゆ(まなか・あゆ)

1987年10月18日生まれ。富山県出身。中学時代にTBS系ドラマ「高校教師」などに出演。2003年、宝塚音楽学校に入学。2005年、宝塚歌劇団に入団し、雪組配属となる。2012年壮一帆(そう・かずほ)の相手役として雪組娘役トップに就任。2014年に退団した。実姉は元星組娘役トップの夢咲(ゆめさき)ねねで、史上初の姉妹娘役トップとしても話題となった。MBS・TBS系ドラマ「シメシ」は「亡き祖母の手料理」など“この世にもう存在しない料理”を提供するレストランを舞台にした物語で、愛加はレストランのオーナーを演じる。出演は村上淳、林遣都ら。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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