イーロン・マスク氏がツイッターに買収提案。ツイッター株は波乱後、テスラ株ともに下落
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米ツイッターに約9%を出資する米起業家のイーロン・マスク氏が同社に買収を提案したことが14日分かった。13日付で米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で明らかになった(15日付日本経済新聞)。
SECへの提出資料によると、マスク氏はツイッター株を1株54.20ドルで買収することを提案。ツイッター株の13日終値は45.85ドルだった。残る全株式を取得するには約400億ドル(約5兆円)が必要になる。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは同日、ツイッターが「ポイズンピル(毒薬条項)」と呼ばれる買収防衛策の導入を検討していると報じた。ツイッターがマスク氏の買収提案を拒否し、敵対関係に発展する可能性がある(15日付日本経済新聞)。
ポイズンピルとは、企業が敵対的な買収者以外の株主に対して事前に新株を発行し時価よりも安く取得する新株予約権を与える方法となる。
これを受けて14日の米国株式市場ではツイッター株は乱高下し、結局下落した。
米経済誌フォーブスのリアルタイム世界長者番付によると、テスラとスペースXの最高経営責任者(CEO)を務めるイーロン・マスク氏の純資産は現在、約3000億ドル。史上最高の富豪となっていた。
ブルームバーグ通信の「ビリオネア(億万長者)インデックス」によると13日時点で2590億ドルとなっているとか。ただ、そのほとんどはテスラ、同スペースXなど設立に関与した企業の株式評価によるもの。
5兆円規模の買収資金を拠出するには保有株を担保とするなどしなくてはならず、14日の米国株式市場ではマスク氏が保有するテスラ株を売却して買収資金を確保するとの観測からテスラ社の株は下落した。
ただし、この日の米国株式市場では長期金利の上昇を受け、ハイテク株全般に売り圧力が掛かっていたこともたしかである。
イーロン・マスク氏は2019年に自らのツイッターアカウントを削除したと表明していた。同氏はツイッター上での発言をめぐって米証券当局から繰り返し訴えを起こされていた。ツイッター上の発言ではたびたびトラブルを招き、2018年8月にテスラ株の非公開化の計画を表明した際には「資金を確保した」との投稿内容が証券詐欺にあたるとして、米証券取引委員会(SEC)から訴えを起こされていた。