あれ多い? けれどもじわりと減っている…祖父母と共に住む子供の割合
小学生は2割強が「祖父母と同居」
高齢化社会が進み高齢者人口そのものや全人口比率は増加しているが、同時に世帯人数の減少、核家族化も進行、結果として祖父母と親子世代が同居する「三世代世帯」は減少の一途をたどっていると伝えられている。その実情を少年教育振興機構が2014年6月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」報告書の各種公開データから確認していく。
次に示すのは直近結果の2012年度における、回答者の子供達が祖父母と同居しているか否かの割合。特に定義はなされていないので、回答者においては二世帯住宅的な居住スタイルをしている場合でも、同居と見ている場合も多々あるだろう。
小学生は約2割が同居、中学生は1/4、高校生は3割近くが祖父母と同居している。全体では23.6%。世帯全体における三世代世帯比率と比べると随分と高い値のようだが(厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」では、2013年時点で6.6%)、全世帯比で計算する場合、一人暮らし世帯や夫婦のみ世帯も勘案されるため、比率は小さいものとなる。子供が居る世帯に限定すれば、案外これぐらいなものなのだろう。
他方、回答者の学年別に見ると、高学年ほど高い値を示している。これは学年が上になるほど祖父母が同居したがるわけでは無く、若い世代の世帯ほど、祖父母と同居しなくなる傾向にある事を意味している。
経年変化では減っている
「若い世代の世帯ほど、祖父母と同居しなくなる」との動きが確認できるのが、次のグラフ。同じ条件下における経年変化を見たものだが、明らかに昔ほど同居率は高く、現在に近づくに連れて低下している。
2006年度時点では全体で28.6%。しかし2012年度では23.6%となり、5.0%ポイントもの減少。ちなみにもっとも高い値を示すであろう2006年度時点の高校2年生では31.6%(2007年度は32.2%)、最も低い値が出ると思われる2012年度の小学1年生は上記グラフの通り20.8%。10%ポイント以上もの差が生じている。
大規模な社会情勢・環境の変化が無い限り、この傾向は継続することになるだろう。
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