【7月6日は小暑】今年は大暑前に歴史的酷暑に!?七夕は関東内陸で40度の可能性も:気象予報士の暦解説
今日7月6日は二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ「小暑(しょうしょ)」です。
古くから「暑さが本格化する頃」とされてきましたが、今年2024年は「本格化する頃」なんて生やさしい段階ではなく、「すでに本格化して何ならピーク」とでも言えそうな状況。
例年だと次の節気である「大暑(たいしょ)」の頃に気温がピークに達するケースも多いのですが、今年はその前に歴史的な高温が記録されるかもしれません。
七夕に始まり土用に終わる「小暑」
「小暑(しょうしょ)」を含む二十四節気(にじゅうしせっき)は、1年を24の節気に分けて農作業の目安にしてきた伝統的な暦で、立春や秋分も二十四節気のひとつです。
そのうち「小暑」は例年7月7日頃になることが多く、次の「大暑(たいしょ)」を迎えるのはだいたい夏の土用に入る頃。
まさに「暑さが本格化する頃」と言える時期なのですが、今年2024年に関しては早い段階から太平洋高気圧が勢力を増していて、なかなか暦通りとはいかなさそうです。
過去の「歴史的高温」は「大暑」以降
気象庁が全国で観測している気温として記録上もっとも高かったのは、2020年8月17日と2018年7月23日にそれぞれ静岡県と埼玉県で観測された41.1度。
ちなみにこの埼玉県の41.1度と、8位の東京都青梅の40.8度が観測された7月23日は、二十四節気の「大暑」にあたる日でした。
3位以降の記録も同様に7月下旬~8月下旬に観測されたもので、この約1か月間は例年もっとも暑くなるということがわかります。
一方で、今年は太平洋高気圧が強く張り出しやすい状態が続いていて、さらには中国大陸上空からチベット高気圧という別の高気圧も日本へ張り出してきているため、7月下旬を待たずにすでに気温がどんどん上がりやすくなっています。
よく「二段重ねの高気圧」とか「二階建て高気圧」と呼ばれ、気象予報士の中でもこの表現を好んで使う人と批判する人がいて個人的には面白い話なのですがまた別に機会に議論するとして、とにかく地上で気圧が高くなる分、晴れて日差しが照りつけやすいし、下降気流によって物理的に気温が上がってしまう状態にあります。
(※今日6日の天気や雷雨の見通しについては今朝の記事を参照してください。)
明日は「七夕酷暑」か
今日7月6日の時点でも九州~関東の広い範囲で35度以上の猛暑日となりそうですが、七夕である明日7月7日はさらに猛暑日地点が増えて、厳しすぎる暑さになる予想。
気温分布予想(下図)を見ても、特に東海の内陸と関東のほぼ全域で紫色の35度以上の表示となっています。
明日7日の予想気温を詳しく見ると、秩父(埼玉)で39度、前橋・静岡・名古屋で38度と、体温を余裕で超えて「猛暑」という言葉では片付けられないような気温が並んでいます。
なお、気象庁のスーパーコンピューターでは天気予報で表示されない地点も含め約1000か所の予想気温が計算されていますが、それによると関東内陸では40度前後になる可能性が出てきていて、歴代最高気温ランキングに入るような地点も出てくるかもしれません。
東京も明日7日は最高気温が36度と4日連続猛暑日となる予想ですが、連続日数は4日で終わらないおそれがあります。
週明けまで猛暑続く
週間予報を見ると、東京では8日(月)の最高気温が37度と、週明けまで5日連続猛暑日となる見通しです。
名古屋・大阪・福岡では8日(月)には33~34度と、ようやく猛暑日からは解放されそうですが、それでも厳しい暑さ。
ようやく10日(水)頃になると各地で32度前後まで下がってくる予想で、これでも涼しいとはとても言えませんが、少しホッとできる気温となりそうです。
なお、この10日(水)以降は広い範囲で梅雨前線の影響を受ける見通しで、今後は雨の情報に注意が必要です。
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