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9月末時点の日本国債の保有者

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 日銀は12月20日に2023年第3四半期の資金循環統計(速報)を発表した。

資金循環統計(速報)(2023年第3四半期)

https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sj.htm

 9月末の個人の金融資産額は、2121兆2293億円と4四半期連続で過去最高を更新した。個人の金融資産の内訳は、現金・預金が前年比で1.2%増の約1113兆円。株式等は同30.4%増の約273兆円、投資信託は同17.4%増の約101兆円となっていた。

 これを基にして国債(短期を除く)の保有者別の内訳を算出してみた。2023年9月末時点の国債残高は1065兆9454億円となっていた(この統計では時価総額となっている)。保有者別の内訳は下記の通りとなる。

中央銀行(日銀)、574兆1115億円、53.9%

保険・年金基金、229兆3668億円、21.5%

預金取扱機関(銀行)、89兆6144億円、8.4%

海外、72兆2999億円、6.8%

公的年金、50兆8332億円、4.8%

家計、13兆1175億円、1.2%

その他、36兆6021億円、3.4%

 日銀の国債保有比率は53.9%となり、過去最高を更新したが、前期比での保有額そのものは約6.4兆円減となっていた。保険年金も約9.7兆円減。海外は約7.2兆円減となっていた。

 短期債を含めた国債全体の数字でみると9月末の残高は約1207兆円。このうち日銀が約576兆円で47.7%のシェアに。海外勢の残高は約165兆円と短期債を含めると国債全体の13.7%のシェアとなっていた。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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