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熱中症での救急搬送人数は1週間で635人(2018年9月10日~9月16日)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 涼しさを覚えるようになっても油断は大敵。熱中症への備えは忘れずに。(写真:アフロ)

・直近週における熱中症による救急搬送人数は635人(2018年9月10日~9月16日)。

・年齢階層別では乳幼児が1.3%、少年が23.3%、成人が38.1%、高齢者が37.3%。

・地域別では大阪府の140人がもっとも多く、次いで鹿児島県の48人。

総務省消防庁は2018年9月19日、同年9月10日~9月16日の一週間における熱中症による救急搬送人数が635人(速報値)であることを発表した。消防庁が掌握している今年の累計人数は9万3834人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では幸いにもゼロ人だったが、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は4人が確認されている。

なお現時点での累計人数の9万3834人(速報値)は、総務省消防庁が5月以降の熱中症による救急搬送者数を調査し始めた2015年以降において、過去の5月~9月の確定値による累計人数を超え、過去最大値を計上している(これまでは2015年の5万5852人が最大値)。

↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値(一部確定値)、人)(2018年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値(一部確定値)、人)(2018年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2018年9月10日~9月16日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2018年9月10日~9月16日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2018年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2018年)

昨年に続き今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら発せられないこととなった。しかし震災から7年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いは無い。

また気象庁が発表している夏季予報では、4月末時点で全国的に高めの気温となる可能性が高いとの話が出ていた。降水量はほぼ平年並みとの予想とも勘案し、熱中症リスクに関して警戒をしなければならない。またここ数年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が数多く確認されている。

↑ 季節予報(夏 6~8月)(2018年4月末時点、気象庁)
↑ 季節予報(夏 6~8月)(2018年4月末時点、気象庁)

そこで消防庁では昨年と同じように今年は熱中症に係わる救急搬送者の調査とその結果報告について、4月30日から開始して逐次報告を行うことになった(終了日は9月30日)。

↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内
↑ 消防庁の熱中症精査報告開始に関する案内

今回発表された各種値は今年の分としては第20週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶん増加することが多い)。

地域別では大阪府の140人をはじめ、鹿児島県の48人、沖縄県の43人、福島県の33人など、西日本で多くの救急搬送人数が計上されている。特に大阪府は桁違いの多さで、年齢階層区分を確認すると少年36人・成人80人・高齢者24人となり、成人が過半数を示している。一方で大阪府以外は多い地域でも50人/週を超えることは無く、何らかの集まり、イベントで事案が発生すれば、すぐに大きな変動が起きうる、ぶれが生じやすい順位動向には違いない。

↑ 東京都の最高気温と天候(度)(2018年9月10日~9月16日)
↑ 東京都の最高気温と天候(度)(2018年9月10日~9月16日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(度)(2018年9月10日~9月16日)
↑ 大阪府の最高気温と天候(度)(2018年9月10日~9月16日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(救急搬送人数上位都道府県、人)(2018年9月10日~9月16日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(救急搬送人数上位都道府県、人)(2018年9月10日~9月16日)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな官公庁の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局))。

↑ 熱中症の応急手当。消防庁配布による熱中症対策のリーフレットから抜粋
↑ 熱中症の応急手当。消防庁配布による熱中症対策のリーフレットから抜粋

すでに9月も半ばを過ぎ、めっきりと涼しくなり、秋の気配を覚える時期となっている。しかしながら油断をせず、老若男女を問わず、熱中症のリスクに留意しなければならないのは言うまでもない。熱中症に関する正しい知識、ノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も併せ、無理をせず・させず、健康管理に留意してほしいものである。

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(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)地域別天候と気温のグラフにおける気温の文字の色で、赤文字は真夏日(日中最高気温が30度以上)、赤文字・枠囲みは猛暑日(日中最高気温が35度以上)を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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