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【沼津市】高尾山古墳の歴史と未来を学ぶ:令和6年連続講座の初回レポート

NumaLens地域ニュースサイト号外NETライター(沼津市)

高尾山古墳について学ぶ令和6年連続講座が、2024年8月24日に沼津市立図書館の視聴覚ホールにて開催されました。

沼津市文化財センター内の展示資料より
沼津市文化財センター内の展示資料より

高尾山古墳は沼津市内で、都市計画道路の建設工事中に発見された古墳です。2008年から始まった調査によって、古墳時代初期の列島東部における最古級かつ最大級の前方後方墳であることが判明し、大きな注目を集めています。今年の6月24日には、国の文化審議会から文部科学大臣に「高尾山古墳」の国史跡指定が答申されました。

大阪府立弥生文化博物館館長の禰冝田佳男先生
大阪府立弥生文化博物館館長の禰冝田佳男先生

第1回目となる今回は「高尾山古墳成立前夜の東駿河」と題して、2名の講師が登壇しました。高尾山古墳整備委員会委員で大阪府立弥生文化博物館館長の禰冝田佳男先生は、弥生時代後期の近畿式銅鐸と三遠式銅鐸の違いや出土状況などから考察できる、当時の社会の様子についてお話し頂きました。

さらに今後の高尾山古墳が、古墳の保存と道路整備の両立を目指している意義と重要性についても解説されました。高尾山古墳は保存か道路整備かを巡って議論が交わされ、結果として保存と道路整備を両立することが決まりました。改めて、今回の道路整備が目指していることの重要性を教わりました。

西相模考古学研究会の西川修一先生
西相模考古学研究会の西川修一先生

西相模考古学研究会の西川修一先生は、高尾山古墳ができた前後の列島東部の様子について、お話しされました。さまざまな考古学研究から、歴史認識が変化していることや、弥生時代後期が首長の権力を抑え、階級社会ではなく平等社会を維持しようとしていた時代であった可能性などについても解説されました。また、ご自身の地元での古墳保存の実例を紹介された上で、遺跡の保存を継続する難しさについても語られました。これからの沼津市民が担うべき責任についても、教えて頂きました。

連続講座の第2回目は、2024年10月14日に開催予定です。申し込みはすでに終了していますが、第1回目の講座も併せて動画公開も予定されているようです。また2025年1月13日にはシンポジウムが沼津市民文化センター小ホールで予定されています。申し込み不要で先着500名、無料で参加できます。

高尾山古墳

静岡県沼津市西熊堂

地域ニュースサイト号外NETライター(沼津市)

静岡県沼津市に住んで30年。沼津市のまちづくり、ひとづくりに関するイベント、季節の行事などを追いかけています。2024年7月より地域ニュースサイト号外NETライター沼津市担当。

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