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能登半島地震を受け政府は予備費を増額、国債発行計画も修正か

久保田博幸金融アナリスト
(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震が発生し、大きな被害が出た。

 岸田首相は5日、能登半島地震の被災地支援のために2024年度予算案で予備費を積み増すよう鈴木財務相に指示した(5日付日本経済新聞)。

 政府は2023年12月22日に一般会計で112兆717億円となる2024年度予算案を閣議決定していた。このなかで災害対応に使える一般予備費は5000億円を計上していた。

 この一般予備費を増額したうえで、変更後の予算案を改めて閣議決定する。これは異例の対応となる。

 与党とも調整し、1月中の通常国会の召集日までに変更後の予算案を閣議決定し直す。岸田首相の指示を受けて、財務省は2024年度の新規国債の発行計画などを修正する検討に入った(5日付日本経済新聞)。

 予備費を増額すれば歳出規模が増えるため、新規国債の発行額を増やして対応することになる。12月22日の閣議決定後に発表された2024年度の国債発行計画も同時に修正されることが予想される。

 ただし、前倒し発行などを活用することで、カレンダーベースの国債発行額そのものは修正されない可能性が高いのではないかとかみられる。

 国債の元利払い費にあたる「国債費」も発行額の修正を受けて27兆90億円から修正される可能性がある。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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