中高生は社会の出来事を知るのに何を使っているのだろうか
その旺盛な知識欲・好奇心を充足するため、子供たちは多種多様な手段を用いて社会の出来事を知ろうとする。その情報源はいかなるものだろうか。ベネッセ教育総合研究所が2014年12月に発表した調査報告書「中高生のICT利用実態調査 2014」から、その実情を確認していく。
今調査対象母集団(中学生と高校1、2年生)に、普段ニュースなど社会の出来事に関する情報をどこから手に入れているかについて、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。学校通しの質問紙による自記式調査で行われており、調査様式による偏りは無い。「ポータルサイトの運営するニュースサイト」とは具体的にはYahoo!ニュースなど、「SNS」はmixiやFacebookが該当する。
今調査対象母集団では中学生が87.3%、高校生は96.6%がインターネットを利用している。つまりそれだけの人たちがインターネット経由で情報を取得できる。しかし中高生とも情報ソースとして一番多く用いているのは「テレビ」。高校生はやや落ちるが9割程度の利用率。色々とメディア力の相対的・絶対的変化が論議されているテレビだが、少なくとも中高生の間では今なお絶大な影響力・情報ソースとして使われている。
テレビに続くのは中学生の場合は「家族の会話」。ところが高校生では大きな波乱が生じている。他の項目の順位は中高で変わらず、ただし「ツイッター」のみが中学生から高校生に至る際に大きく回答率を上乗せし、「家族との会話」すら抜いて第二位についている。元資料から高校生の男女詳細を見ると、男子は32.8%・女子45.6%との値が確認できる。女子のツイッターの利用度合いが全体を押し上げ、「家族との会話」以上にツイッターを情報入手元として用いる結果を生み出している。
続いて「紙の新聞」「ポータルサイトの運営するニュースサイト」「友達からの口コミ情報」「LINE」が続く。同じインターネット上の情報サイトとしては「ポータルサイトの運営するニュースサイト」がもっとも多く使われており、次いで「インターネットのまとめサイト」が続き、「新聞社のニュースサイト」はあまり使われていない。特に新聞社では、「まとめサイト」よりも利用率が低い。この実態には新聞社も色々と複雑な心境を抱くに違いない。
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