【暇アノン懺悔録】「暇アノンの姫」だった40代男性(3)
A氏(40代)は「避難所」という名前の裏アカウントを持ち、「暇空茜」(水原清晃氏)を信奉する人の中でも一時期は目立った存在だった。しかし現在では水原氏を批判する立場を取っている。
インタビューはジャーナリストの安田浩一氏と筆者が行い、Colabo弁護団の弁護士2名が同席した。
女性だと思ってフォローした人もいると思う
ーーColaboの批判を始めてからフォロワー数がむちゃくちゃ増えた?
A:むちゃくちゃ増えました。Colaboがどうのこうのみたいなのを始めてから1万5000人以上増えましたね。
ーー「避難所」アカウントではダンボールにイラストを描くことをネタにしてらっしゃいました。イラストが上手い人はSNSでは注目や尊敬を集めやすいのでは。
A:それはよくわかんないです。
ーーAさん、◯◯(※)でいらっしゃいますでしょう? ※A氏の職業
A:そうです。今はちょっと休止してますけれど。
ーーそれなりの実績を持ってらっしゃるわけですよね。
A:今はさすがに歳もありますし、潰しが効かないんで、もう一つ新しいスキルを身につけようと思って別の仕事をしています。介護を。最近はそのおかげで暇空にも「お尻拭きシート」とか言われていますけどね。
ーーひどいですね。
A:あいつは自分の道を諦めて介護に逃げたって言われています。
ーー2022年の11月末あるいは12月の初め頃、Aさんがもっともネットに書き込んでいた頃は仕事を続けてらした頃ですか?
A:その頃はちょっと休んでましたね。暇だった。
ーー書き込む時間もネットを閲覧する時間も十分にあった?
A:ありました。
ーーその時に一番楽しかったことって、これ(Colabo叩き)ですか。
A:そうですね。やっぱりのめり込みましたね。
ーー他に楽しみなかったですか。
A:ひどいこと言いますね。
ーーごめんなさい。Aさんは猫を飼ってらっしゃるのでしたか。
A:今、嫁さんのお母さんが体調不良で、嫁さんが猫を全部実家に持って行って世話をしているんですよ。だからちょっと今一人で。どうしようかなみたいなところでネットをぽちぽちしていたら暇空茜、みたいな。
ーーそういうことがあるのはわかります。「避難所」のアカウントは女性のアイコンを使っていますね。
A:ちょっと気まぐれで、自分の写真を撮ってアプリで女体化したんです。
ーー女性だと思ってフォローした人もいたんじゃないですか?
A:いっぱいいました。
ーーダイレクトメールとかも来ましたか?
A:山ほど来ました。
ーー気持ち悪いメッセも?
A:キモッと思いましたよ。ただ私は今までのツイートの中で自分を女であるとかっていうのは一切言っていないので、嘘はついていないです。
「暇空茜」のために調べ情報提供した
ーー暇空さんとの情報のやり取りについてですが、日常的だったのですか?
A:ごくまれに、彼から一方的にDMが来るんです。
ーーツイッター(現X)のDMで?
A:そうです。ごく稀に来て、たとえばこれを調査してくれないかと。1回か2回、それはありました。こいつはColaboの弁護士くさいから、こいつのツイート洗ってくれとか。「カルピス軍団」(※)の一人を。
(※)X上で暇空茜やその弁護団について批判的なツイートを行う複数の匿名アカウント。
ーーその匿名アカウントがColabo弁護団の一人っぽいから調べてくれと言うことですか。
A:そうです。そのアカウントの東日本大震災ぐらいの頃からのツイート全部、私が精査して、まとめて暇空に報告しました。
ーーそれを暇空のために?
A:楽しくやったんです。
ーー楽しくやった?
A:だから、本当に狂ってましたから。
ーー調査依頼以外の個人的なやり取りは?
A:ないですね。
ーーAさんからメッセして暇空さんに無視されたこととか?
A:もちろんありますよ。彼にとってくだらない、取るに足らないと思うものは全て無視ですね。
ーー彼に情報を渡すことのメリットって、特にないわけですよね。報酬くれるわけでもないし。
A:ないですね。単に成功体験ですね。暇空茜に取り上げてもらった。リツイートしてもらったという。
亀裂のきっかけは担当弁護士の名前?
ーー懇意にしていた暇空さんと、なんでそんなに仲が悪くなったのですか? いつぐらいから隙間風が生じるようになった?
A:ある日突然彼に切られたんですよ。最初のきっかけは些細でして、暇空茜が気に入らない行動をしたんです。気に入らない絵を描いたみたいな感じだったかな、確か。複合的な感じだったと思うんですよ。追及のやり方が「リーガルライン越えてるぞ」と言われたり。
ーーちなみに絵は、なんの絵を描いたんですか。
A:絵の中に、「垣鍔晶」(※)って書いてしまいました。
(※)「暇空茜」こと水原清晃さんの代理人の一人が垣鍔晶(かきつば・あきら)弁護士。当初は代理人弁護士が誰なのか一般に知られていなかった。
ーーそれダメなんだ。
A:禁句になっているのに、書いてしまいました。知らなかったんですよ。代理人弁護士の名前だとは。カルピス軍団の親玉じゃなかったのか、これと。
ーーそういう認識だったんですね。
A:そう。
ーー書いたら、暇空さんが逆上した?
A:逆鱗に触れて。ブロックされたんです。
ーーそれ、いつ頃ですか。
A:今年の7月か8月頃です。
(※筆者注)実際は6月中旬頃。「暇空茜」がフォローを解除したあるフォロワーに対してA氏(「避難所」)が「ごめん、一旦フォロー切らせてもらう。」と投稿。それを引用再投稿する形で「暇空茜」が「一旦ってなんだ/ブロック」と投稿している。参考リンク
A:その時は、まだ切られたとしても、何かお手伝いできることはないかみたいな感じでは考えていたんです。
ーーブロックされても?
A:そうです。ただその後、「暇空茜」は私に牙を向けてきたんです。彼が私を攻撃し始めたんですね。私も一応、カンパ金を集めてましたから、訴訟対策ということで。
疑問に思っていた「暇空茜」のカンパ金使途
ーーご自身の訴訟対策でのカンパ金。
A:そうです。ちょっとプールしてるんですけど、それを明らかにしろ、みたいな。あいつはダメなやつだとか、名指しで色々言われたんですよ。
訳わからなくて。それで、これまで「暇空茜」しか見ていなかったけれど、それ以外の情報を見てみようと。彼に反対する人たちのツイートを、何日も見たんです。
ーーどうでしたか。
A:なんか暇空、おかしくね?と思って。もうちょっと広い目でも見てみようと思って。カルピス軍団のツイートを何日も見て、こいつらの言っていることの方が筋通ってね?と。
そこで前々から疑問に思っていたのが暇空茜のカンパ金です。1億何千万円も集めて、7,000万円近くすでに使ったと。あり得ない。訴訟の着手金ってせいぜい20〜30万円でしょう? 100件やっても2,000〜3000万円じゃないですか。7,000万円って、どこから出た金額なんだっていう。
私は暇空茜に公開質問したんです、noteで。
【暇空茜さんのカンパ金使途に対する公開要望】(2023年7月22日/避難所)
A氏はこのnoteの中で、カンパ金について「領収書と明細の全公開をしてください」と書いている。
ーーカンパ金の使途に疑問があると。
A:自分は彼に乗ってしまったんです。乗って、人さまに誹謗中傷を繰り返してしまったんです。これは自分に責任があると。なんとか、こいつを食い止めないといけないと思いました。
ただ、自分一人じゃ無理だったんです。「暇空茜」は大金も持っているし、かつ山ほど信者がいる。彼からも通告が来ましたからね。これ以上、攻撃するようだったら、お前訴訟すると。noteもYouTubeも使って徹底的にやると通告を受けたんです。
ーーカンパの使い道に関する返答はなかったのですか。
A:全くない上でそれが来て、そしてさらに条件として「これ以上、俺に触るな」というような。
※参考「暇空茜」2023年7月30日の投稿「(略)カンパとかももう興味ないから触れるつもりはない」「ただしそっちが触れてくるならnoteもYoutubeも訴訟も使って応じる」
A:暇空よくないんじゃないかみたいな、そういう批判をしている人たちはいっぱいいるんですけれど、バラバラになっていたらダメなんです。それでいろいろと声をかけました。そこからColaboの弁護士さんにもつながって、和解の流れに。
自分は作戦を練りました。これまでColabo叩きをしていた人たちで一斉に和解を発表しようと。いわゆる暇アノンの姫と言われていた自分が。
挙げ句の果てに集団リンチに
ーー「暇空茜」に対する気持ちは、カンパ金の問題が大きかったのですか? それとも邪険に扱われたこと?
A:邪険に扱われたことというよりも……、最初はカンパ金でしたね。カンパ金の決め方がおかしいと。確かにおかしい。
ーーでも、そこまで愛した人じゃないですか。リツイートしてもらえてもうれしいぐらいだったと。その人が大金もらって幸せになるんだったら、いいんじゃないですか?
A:だから。こんだけ、こんだけ手伝ってやったのに、結局お前それかよって。
ーー 一生懸命調べたし、リツイートもしたし。
A:そう。その挙げ句の果てに、集団リンチに。俺を三日三晩リンチしたんですよ、やつは。
ーー要するにAさんをネットで叩いた? 動員したわけですか、暇アノンを。
A:見たくなかったんで、ブロックもされているしあえて見なかったんです。ただ、いろいろ言われているっていう情報だけは聞きました。
おそらくみんな、暇空が言ういわゆる「リーガルライン」ですか。そういうのを気をつけながらやっていたと思うんですけど、そもそも「リーガルライン」ってなんですか、その造語。訴訟なんていうのは、どんなくだらない理由だって誰でもできるわけじゃないですか。
ーー皮肉なものですね。公金の使い道で一致団結したみなさんが、金の使い道で今後は分裂していくというのは。
A:そうそう。
……たとえば「卑怯者」っていう言葉は別に、それだけでは訴えられるものじゃないじゃないですか。けれどたとえば1万人から同時に「卑怯者」って言われたら、死にたくなるじゃないですか、誰でも。それはもう、奴らがやっている集団リンチなんですよ。
ーーショックでした?
A:ショック……。実はわたし、ネット上のリンチには慣れてるんです。名前を出した商売なので、昔から人に攻撃されることは慣れているんです。
ーー◯◯(※)として。(※)A氏の職業
A:そうそう。耐性はあったので、自分は耐えていたんです。でもこれ普通の人がやられたら、もしかしたら適応障害を発症するレベルです。これは。
ーー仁藤さんもやられていた。
A:そうです。よく耐えましたね、あの人。
ーー仁藤さんだけじゃなくて、Colaboの関係者も。そのころは叩いているっていうのは思わなかったんですか。
A:思わなかったです。すみません。申し訳ございませんでした。
ーー「暇空茜」さんはAさんをブロックした後に「この問題に首突っ込んでたらまじで逮捕させられると思うよ」「俺が切った以上狙われるだろうし」といったツイートをしていたようですが、どう思いますか。
A:そんなこと言ってるんですか。ばっかじゃないのっていう。