第48回衆議院議員総選挙の投票率の実情をさぐる
先日行われた第48回衆議院議員総選挙の投票率が総務省から発表された(【第48回衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報資料】)。公開データを元に、実情を確認する。
まずは小選挙区の投票率と、前回の第47回衆議院議員総選挙との差を算出した結果。当日投票以外に期日前投票や在外投票も合わせた値である。
全体の投票率は53.68%で、前回の選挙と比べて1.02%ポイントの上昇。投票率そのものはどちらかといえば地方、高齢者が多い地域でやや高めに出る感はある。他方、前回選挙との差異だが、茨城県が大きく下落しているのは、前回選挙において県議会議員選挙や一部市議会議員選挙が同時に実施され、投票率が大きく上昇したことの反動。逆に新潟県や富山県、石川県で大きな上昇が見られるのは、前回選挙の際に降雪があり、投票率が下落したことの反動。
それを除けば東京都・大阪府やその周辺のような大都市圏で下落し、地方で上昇する傾向が見られる。
比例代表の投票率も傾向に大きな違いはない。
やはり大都市圏よりも地方で投票率は高く、茨城県や新潟県や富山県、石川県のような特殊事情のある県を除けば、東京都・大阪府やその周辺のような大都市圏で下落し、地方で上昇する傾向が確認できる。
今回の選挙は台風21号が投票日当日に縦断するという異様な事態下での投票ではあったが、ある程度の前から投票日に影響が生じそうであることが分かっていたこともあり、期日前投票が大いに活発化したのが注目に値する(投票率は今回20.10%、前回12.65%で、7.45%ポイントもの上昇)。また最終投票率を見るに、地方の意見がより声高になった感は強い。
ともあれ、台風の中でも前回よりも投票率が上昇したことは、素直に評価すべき結果には違いない。
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(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。